経営管理手法

 主な経営管理手法の利用率については、図3を参照願いたい。最も人気があるのがベンチマーキング(以下ベンチと呼ぶ)で、年々増加し72%に達してい る。バランススコアカード(BSC)やABM/ABCに関しては、3割程度の企業が利用しており、増減は少ない。一時期、一世を風靡したZBB(ゼロベー スバジェット)やビヨンドバジェットの利用は年々減少傾向にあるが、図4を見れば分かる通り、売上減少傾向の企業で多く利用されているようだ。業績低迷の 企業が業績回復の切り札として、過去実績にとらわれない手法での大胆コストカットを志向していることを示しているように思われる。

 

財務マネジメント・サーベイ<br />【特集】欧米企業における<br />コントローラー部門の役割

 

 

財務マネジメント・サーベイ<br />【特集】欧米企業における<br />コントローラー部門の役割

 

 最も普及しているベンチには、外部ベンチ、内部ベンチ、またはその組 み合わせがあり、内部ベンチは予算・予測といったプロセスで、外部ベンチは戦略・事業計画といったプロセスで利用されており、内部外部を併用している企業 も多い。想定外に内部比率が高いのは、比較データの入手が容易な内部ベンチの活用により、ベストプラクティスの水平展開を図る企業が多いのではないかと推 察される。

 BSCの評価指標の数5個以下の企業は、前年57%から67%に増加、20個以上の指標を使用している企業は、5%未満となっている。4つの領域では財務の視点が最も人気があり、BSCを通常の財務報告で見えない情報を見つけ出す手段として利用していることが伺える。

結論

 今回は紹介 できなかったが、上記の他に、経営情報システム、財務組織の効率性評価軸など、興味深いサーベイが含まれている。サーベイの分析を通じて、昨今の危機的環 境の中で、世界各国の企業におけるコントローラー部門の重要性がますます高まっていることを実感した。また「会社の置かれている状況によって求められる経 営管理手法や指標が異なる」という結果は非常に興味深い。コントローラー部門は、事業運営と企業業績を結びつける連結役として、絶えず変化する環境におい て組織の柔軟性を高め、激動する市場でイノベーションを実現するため、より高度な役割を果たしていくことが経営層から期待されているといえよう。我々も、 自社の経営管理手法や指標ツールが現在の経営環境や戦略に合致しているか、一度見直してみる必要がありそうだ。