最近では、過労による自殺も労災認定されるケースが増えてきましたが、自殺や病気になるまで頑張る必要は絶対にありません。人生いつでも逃げていいのです。

 英語でも「Karoshi」という言葉が浸透しているほど、過労死は先進国の中でも日本特有の現象です。日本社会全体で、死ぬまで働くように追い込んでいるのかもしれません。会社を辞めたいというと、奥さんや子ども、両親や義理の親、友人まで含めて相談する人全員が反対するでしょう。それでも、本人がもう無理だといっているわけですから、反対しないほうがいいと思います。

 私もサラリーマン時代に5社転職しましたが、そのたびにリセットされて新たな気持ちでチャレンジできました。起業についても同じで、準備さえ整っていれば、いまの日本でいきなり飢え死にすることはほとんどありません。

いきなり会社を辞めずに、
サラリーマンの地位を利用して起業の準備

 いきなり起業といっても、普通は簡単にはできません。そんな中、サラリーマンとしてこれまでやってきた経験や実績をもとに関連した仕事をするのが比較的成功しやすいといわれています。

 私が以前勤めていた会社は保険会社でしたので、営業社員や事故の査定をやっていた社員が会社を辞めて担当していた地域で代理店として独立するパターンはよくありました。私のかつての同期にも代理店として成功している人がいます。同じ保険の仕事をするなら、一国一城の主となって自分で好きなようにやったほうが楽だという考えは一理あると思います。

 一方で「辞めたあとまで、いまの会社と関わるのは絶対にイヤだ!」とお考えの方もいるでしょう。そのようなケースでは、自分の好きなことや、思わず夢中になれる趣味で起業したり、新たに資格を取って起業することになると思います。新たなことにチャレンジするのは容易ではありませんが、ちゃんと入念に準備をすれば、そんなに恐れることはないはずです。

 サラリーマンを続けながらでも、起業の準備はできます。とりあえず会社にさえ行けば、机やパソコンや電話やファックスはいつでも使える状態になっていますし、広くて快適な冷暖房の効いたオフィスも用意されています。仕事中にほかのことをするわけにはいきませんが、朝早く出勤したり、お昼休みの時間を利用したりして独立起業の準備や資格試験の勉強をすることは可能です。