できる人ほど「情報収集」しない。「知識の正しい増やし方」は漱石に学べ!

どれだけ発想を広げられるかは、(1)頭の中の情報量(アイデアの素材)、(2)情報が潜在的アイデアに加工されている割合(加工率)、(3)潜在的アイデアを引き出せている割合(発想率)――この3つで決まる。
多くの人にとって最も有効なのは、発想率を高め、発想のモレを防ぐことだが、情報量や加工率の改善も、発想を広げるうえでは欠かせない。そもそも引き出すべきアイデアやその素材が少なければ、顕在化できるアイデアも当然限られてくるからだ。
そこで今回は頭の中の「情報量(アイデアの素材)」を増やす方法について考えてみよう。

できる人ほど「情報収集」しない。「知識の正しい増やし方」は漱石に学べ!

知識は「総量」よりも「多様性」が肝心

頭の中の情報量というのは、創造的なアイデアの素材となるすべてのものである。知識量と言ってもいいかもしれない。
いくら知識があっても、それを引き出す力(発想率)がなければ意味がない。そこで僕は「学ぶ」と「考える」を峻別して、これからは思考力のある人材に有利な時代がやってくると語ってきた。

参考:第6回
知的下剋上せよ!
鳩山式勉強法が避けた「致命的なムダ」とは?

そうは言っても、発想を広げるうえで知識が多いに越したことはないし、情報=アイデアの素材をインプットするうえでも、工夫できることは2つある。

(1)頭の中の情報はを増やすよりも、を広げる
(2)頭の中の情報を知識で終わらせず、知恵へと深める

今回論じるのは(1)についてだ。頭の中の情報の「絶対量」を増やすよりも「幅」を広げる、という話は少々わかりづらいかもしれない(幅を広げれば当然、絶対量も増えるから)。

ここで言いたいのは、絶対量を増やすにしても、「偏り」をなくしたほうがいい(=多様性を増やしたほうがいい)ということである。