『フォーブス』誌発行人を務め、連続起業家でもあるリッチ・カールガードは「成功し続ける企業」の5つの条件を、ウォール街からシリコンバレーまで全米企業への徹底取材から明らかにした。本連載は『グレートカンパニー――優れた経営者が数字よりも大切にしている5つの条件』からそのエッセンスを紹介する。第13回のテーマは「失敗の多いチームほど優秀?」だ。
頻繁に失敗せよ?
失敗を認めたいとは誰も思わないし、仲間の前で恥をかきたいと思う人もいない。
私たちはみな、自分のイメージや自尊心を守りたいのだ。それは別におかしなことではない。
ただ、私たちは失敗を許されないものだと考えている。できれば避けたいとも思っている。失敗は口にしづらいものであり、また、あまりに多くの組織が、ミスのなかにある貴重な教訓を引き出すことなく、そのミスをしたことで人々に罰を与えてしまっている。
しかし、個人として、また組織として「知性豊か」になるためには、自分がした失敗を認める必要がある。
にわかには信じられないかもしれないが、たくさん失敗すればするほど、いっそう大きく成長したり早く革新を進めたりできるようになるのだ。
数々の賞に輝くデザイン会社のアイディオは、こんなモットーを掲げている。
「早く成功するために、頻繁に失敗せよ」
ミスや、それによって引き起こされる失敗は、本物の学習をするチャンスであり、私たちをもっと「知性豊か」に、そして少し勇敢にもしてくれる類のチャンスである。
個人にせよ組織にせよ、秘訣は、ミスを無視したり隠したりせず、認めるにはどうすればいいかを見つけ出すことだ。
これは、コンフォートゾーンから出て行動することを意味する場合もある。つまり、違った角度から考えたり、ほかの人があちらの道を歩いているときに自分はこちらの道を進んだりするということだ。