『フォーブス』誌発行人を務め、連続起業家でもあるリッチ・カールガードは「成功し続ける企業」の5つの条件を、全米企業への取材から明らかにした。本連載は『グレートカンパニー――優れた経営者が数字よりも大切にしている5つの条件』からそのエッセンスを紹介する。第2回は、社内でSNSを使うこと禁止する会社は業績が悪くなるのか? がテーマだ。
社内でSNS使用禁止の会社は
業績が悪い?
大したことではないと思う人もいるかもしれないが、フェイスブックやツイッターのようなSNSを禁じるのは、そうしたサイトを社員が仕事のために使うことを経営者サイドが信じていない証拠である。
SASインスティチュートの創業者で会長のジム・グッドナイトは次のように話した。
「社員がどんなウェブサイトにアクセスしたか、場合によってはそれぞれのサイトにどれくらいの時間アクセスしていたかについては記録をつけている。しかしそれ以外は、そのサイトで何をしていようと、ほとんど記録していない。
これは、信頼の問題につながる。信頼は、つまり社員に信頼してもらうというのは、働きがいのある職場であるための、おそらく最も重要な要素だ。監視しすぎたら、もはや信頼してもらえなくなるだろう」
ヤフーのCEO、マリッサ・メイヤーが社内で評判のよかった在宅勤務を禁止したことが公になったとき、バージン・グループの創業者リチャード・ブランソンはブログに次のような意見を書いた。
「ほかの人とうまく仕事をするのに、互いに信頼し合うことは欠かせない。とくに重要なのは、どこにいても、上司の目がなくても、社員は必ず仕事をやり遂げると信頼することだ。わが社では、仕事はしたいところでしてもらっている。オフィスにいようがキッチンにいようが、しっかりやり遂げるだけの気力と知識が社員にあることがわかっているため、安心しているのだ。
ヤフーの社員は、実のところオフィスの外で仕事をしたことがないし、これからも決してないだろう」
ひとことで言えば、信頼が信頼を生むということだ。
それはつまり、信頼を築く秘訣の一つとして、ブルーカラーもホワイトカラーもすべての従業員を、本来の、自分のことを自分で決められる誇りを持った大人として扱うべきだということである。