「黒」は本当に定番か?

美崎 ちなみに表紙の色のチョイスはどうされていますか? これも毎年替えてる?

和田 はい。毎年2色選んでいます。3色出した時期もあったけど、なかなか書店さんに3色揃えて置いてもらえなくて、2色で落ち着きました。

美崎 へえ、いいなあ。僕は1年目にネイビーにしたんだけど、「定番の黒のほうが人気なんだ」と編集長が。それ以降黒になっちゃいました。

和田 私もネイビーとアイボリー(白)とレッドのトリコロール・カラーにしたことがあったなあ。一番人気はアイボリーでしたね。女性ユーザーからはピンクとかオレンジとか、かわいい色を、という要望もあるのですが、好き嫌いが極端に分かれるのですよね。それで今年はネイビーとアイボリーに原点回帰しました。

美崎 へえ。僕はオリジナルで10色手帳カバーを作って販売してみたんですよ。そしたらネイビーがよく売れました。ピンクとゴールドも人気です。

和田 どうしてもトライしたい色があって、“エルメスオレンジ”のようなお洒落で上品な色。でも、表紙の見本には、やや茶色に振れちゃったりとか、薄いみかん色しかなかったりで、実現できずなんです。

美崎 表紙といえば、帯に顔写真載せるの、本当はイヤなんだよな……。

和田 ええ、あはは。でも載せないと著者がプロデュースしてる手帳ってわかんないもの。能率手帳と区別がつかなくなっちゃいますから(笑)。

美崎 そう、それで手帳だけは載せてもらうようにしているんです。書籍は1冊も載せてないですよ。

和田 それを聞いて思い出したけど、お客様のリクエストでもっと顔写真を大きくしてくださいと言われたことがあります。どうやら切り抜いて中ページに貼ってくださっているようなんです。

美崎 いいじゃないですか! 今年の手帳なんて、めちゃくちゃ可愛いですよ。前より今のほうがずっと素敵だ。

和田 まあ、ありがとうございます。ともあれ、アレンジして使ってくださっているのは嬉しいですよね。先ほどの時間の目盛りが4時から欲しい方は書き足せばいいし、既製の手帳を自分一人の手帳に変えて欲しい。そのほうがたくさん書きたくなるし、書き出す分、時間を大事にすることもできる。そのなかで自分なりの使い方を見つけてもらえれば、手帳がより身近になるのではないでしょうか。

※次回配信予定は、11月6日(金)です