「陰山手帳」・「和田裕美の営業手帳」の作者による対談の2回目。手帳で効率アップする手法から始まって、話題は学校教育が効率性を無視していることへの批判へ。「要領がいい」とは、ネガティブな意味なのか?『週刊ダイヤモンド』(2012年12月15日号)掲載「手帳対談」の拡大版。
「水曜日の境界線」で達成率、効率アップ
和田 私の手帳のスケジュール表では1年を52週と捉えて、1週間ごとに目標を立てるように作っているのですが、水曜日と木曜日の区切り線を太くしてあるんです。この線には1週間のうちにもう一つ期限を設定し、「週の前半に目標をクリアするつもりで」という意図が込められています。目標を小刻みにすることで達成率と効率のアップを図っているのです。
ただ、一方でこれ、軌道修正ラインとも呼んでいます。1週間で目標を立てた場合、人間って中間地点の水曜日でまったく結果が出ていないと、残りの木金土があきらめモードになってなし崩しに過ごしちゃう。例えば、1週間に契約3本の目標を立てたのに水曜日の時点でゼロだったら、木曜日の朝に「1週間で1本でもいい。その代わり絶対に取る!」と目標を軌道修正する。私は組織のミーティングは必ず木曜日の朝にして、そこで目標を足したり増やしたりして切り替えを促していました。
陰山 教師にとって水曜日というと、ノー残業デーと言われてましたよね。当然そうなりませんが……。
和田 学校にもあるんですか。
陰山 僕の場合は、自主的にノー残業にしてましたが。
和田 先生は自由ですもんね。
陰山 いや、効率がいいからです。学校教育の最大の間違いは、効率性を無視し、努力と根性を重視するところ。よく学習意欲が話題になりますけど、僕からすると簡単な話です。30分の勉強で1時間勉強したかのような効果が出ると、子どもたちはやりがいを感じる。30分やって10分くらいの成果だとしんどいでしょ。
和田 達成感がないと続きません。