「まさかトヨタが、こんな手を使うとは!?」
米ベンチャー企業テスラ・モーターズ(以下、テスラ)とトヨタ自動車の資本・技術提携は、世界の自動車業界関係者にとってまさに寝耳に水だった。
米西海岸時間2010年5月20日午後5時過ぎ(日本時間5月21日午前9時過ぎ)。シリコンバレーの中心地、スタンフォード大学にほど近いテスラ本社(カリフォルニア州パロアルト市)で、3人の男性がカメラのフラッシュを浴びた。
ごく自然に考えれば、今回の提携で、テスラの「モデルS」(写真)がトヨタ「カローラ」のプラットフォームを活用することになっても不思議ではない。
痩せ型で身長190cm程のイーロン・マスク テスラCEO(38)と、ガッシリ体系で身長187cmのカリフォルニア州アーノルド・シュワルツェネッガー州知事(62)。その2人と、日本人中年男性としては平均的な体型に見えるトヨタ自動車・豊田章男社長(54)が並んだ。豊田社長はその前日の夕方、ホテルグランドパレス(東京都千代田区)で行われた一般社団法人・日本自動車工業会「平成22年度定時総会」に参加し、同会副会長に新任され、その直後、太平洋を渡ってきた。
豊田社長がコメントで触れた
テスラとNUMMIの関係
この衝撃的な記者会見については、すでに日本でもテレビ、新聞、ネットで数多く報道されている。当該発表内容は次の2点に集約できる。
①トヨタとテスラは、電気自動車における車輌開発、部品開発、(車輌と部品の)製造システムにおいて技術提携を行う。
②トヨタはテスラに対して総額5000万ドル(1ドル92円換算で46億円)を出資する。
また、トヨタの本社ウエブサイトではこの共同記者会見の模様が公開されている。その中では、豊田社長が、テスラとNUMMIとの関係を説明していた。