オバマ大統領を覚醒させた
習近平主席の訪米

 最近、米国内で「対中国政策を誤ってきた」との見方が強まっている。かつて同国では、「中国は貧しい国に留まり、米国に対する大きな勢力になることはない」との予測が多かった。むしろ、対ロシアの関係で中国の成長を援助することもあった。

 しかし、中国は、海外からの投資などによって高成長を続け、わが国を抜いて世界第2位の経済大国へと成長した。中国はその経済力を背景に軍事力の増強に努め、既に潜水艦保有台数では米国を凌ぐまでに強大化した。

 中国の成長プロセスは、米国の多くのシンクタンクが想定したものよりもはるかに早く、しかも成長の水準は想定の上限を超えていたことだろう。その結果、米国は中国に対する認識を誤ったのだろう。

 中国の軍事力が強大化しても、軍備の運用能力や海洋展開力などの点からそれほど深刻に考えていなかったのかもしれない。中国が南シナ海で人工島を建設し自国の領土と主張しても、米国は目立った行動を取らなかった。

 その背景には、「中国の行動は一時的」と見たことがあったのだろう。また、米国が中東やアフガニスタンに多くの勢力を注ぎ込んだ結果、アジア地域に対する目配りが低下したことがあったとみられる。

 そうした米国、特にオバマ大統領を覚醒させたのは習近平主席の訪米だった。オバマ大統領は、実際に習主席を会談するまで「二人でひざ詰めで話し合えば、中国を自制させることができる」と踏んでいたようだ。

 ところが、実際の会談で習主席は一切譲歩する姿勢を見せず、「南シナ海は太古の時代から中国の領土」と突っぱねた。そこで、オバマ大統領は、拡張主義のスタンスを見せつけられ覚醒せざるを得なくなった。