二枚舌座長・星北斗の罪
広瀬 マコさんは、その福島県「県民健康調査検討委員会」が開かれるたびに足を運んで、福島県の医師にも取材していますね。
マコ 毎回ではないですが、2011年に公開になってから、ほとんど取材しております。
福島県「県民健康調査検討委員会」の星北斗座長は、県の検討委員会で言っていることと、東京の規制庁や、環境省の検討会に呼ばれて言っていることが、異なります。
私は何度も、福島県の検討委員会に、
「甲状腺だけでなく血液検査の情報を出してほしい」
と言ってきました。職員の方から「次回に出ます」と言われたことがありましたが、結局出ませんでした。理由を担当者に聞くと、「星先生が出さない」と言われたので、と。
記者会見で質問すると、星座長が、
「世間が興味があるのは甲状腺の結果だけだから、その他の検査結果は出さなくていい」
と指示したとのことでした。ところが、その数日後の環境省の検討会では、
「世間の興味が甲状腺にばかり向いてしまっている。他の健康調査もやっているので、それらも問題として議論していただきたい」
と発言していました。
広瀬 自分がデータを出さないと決めておきながら、一方で、逆のことを言っている。あの男は、政治的で、信用ならない。
「県民健康調査検討委員会」は、副座長も「福島県民の被曝量はきわめて小さい」というような、実測値の根拠のないことを言うし、実に怪しげな集団だ。
マコ 福島第一原発の事故現場で働いてきた作業員の被曝線量もおかしいのです。作業中の線量は、電離放射線障害防止規則に基づいて測定されています。
その一方で、普通に生活しているときの内部被曝線量は、2011年3月11日~7月11日までの4ヵ月間の行動記録から計算されています。
でも、これを合算していない! 私は、「生活時の被曝線量と作業時の被曝線量を合算すれば、線量限度を超えるのに、どうして合算しないのか」
と毎回質問してきました。
そうしたら、その3日後に、星座長が環境省の検討会で、
「作業員の方々の被曝線量も、県民として仕事中のものと、生活圏のものと、一括して評価してくれる部署をぜひつくってほしい」
と言いました。
広瀬 自分が「合算しないように」しておいて、環境省では逆を言う。のちのち追及されないように、アリバイをつくっているわけだ。けしからん男だ。
福島の検討会では「安全安心」を強調して、被曝の影響がないかのように宣伝する。こういう人間が検討委員会を取り仕切っているので、このままでは本当に心配です。
次回は、「半径2メートルに公安が立っている『異常な日常』」について、マコさんのおそろしい話を聞きましょう。
(つづく)