10月に開催され、大好評を博した『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか』スペシャル著者セミナー。
即座に100名を超える参加希望者が殺到し、当日には熱気あふれる満席の会場から活発な質問が飛び交った。
好評につき、バージョンアップ版の追加開催が決定した同セミナー(詳細は本記事末尾を参照)に先駆けて、前回行われた講演の様子を少しだけご紹介していこう(最終回/全4回)。
[レクチャー特別公開!!]思考力が高まる教室(全4回)
・第1回 ▶▶▶ ハーバードMBAはなぜ「講義をやらない」のか?
・第3回 ▶▶▶ 伸びない人に共通する「コロンブスの卵」症候群
・第4回 ▶▶▶ (今回)
普通の人はどうしても
アイデアについて「勘違い」してしまう
「コロンブスの卵」の話をしてきました。
で、ここから僕が何を言いたいのかというと、「凡人というのは、素晴らしいアイデアを目にしたときに『自分もそういうアイデアを出し得た』と勘違いする『厚かましさ』を持っている」ってことなんです。
言い方を変えると、「運悪くたまたま思いつかなかった」「思いついてたけどたまたま実行できなかっただけだ」と思ってしまう。
これはビジネスの現場でも本当に多いですよ。
今回の本(『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか』)でも書きましたけど、日本のある大手電機メーカーに行ったときにも、こういうことを言っている人がいました。これまた、アップルがつくった携帯音楽プレーヤーのiPodの話です。
「iPodみたいなプレーヤーって、うちに会社にもアイデアはあったんですけどねえ。先を越されちゃいました」
こんなことを言っているわけです。
……でもですね、おそらくですが、「ない」んですよ、そんなアイデアは。もちろん漠然と考えていた人はいたかもしれない。
でも僕が「本当にあったの? 企画書はあるの?」って聞いても、企画書すら存在していない。
どうも人間っていうのは、素晴らしいアイデアを見ると、「自分もそれを発想できたはずだ」、それどころか「実際に思いついていた」って勘違いしてしまう「おこがましさ」があるんですよね。
まずはそれに気づかないといけない。「発想しえた競合」と「発想しえなかった自分」との間には圧倒的な差があるという事実を見つめて、ヒリヒリとした悔しさを抱かないといけない。
「運が悪かった」で済ませている限り、そこからはアクションが生まれませんからね。その人はずっと一生そのままです。コロンブスのライバル連中とおんなじ運命だと。