男性の発症率は女性の10倍、喉頭がんが増えている!?「最近調子が悪い…」で済ませない!声がれが1ヵ月以上続いたら要注意

 喉頭がんとは文字通り喉頭部(舌骨より下で気管より上)にできる“がん”だ。発生数はがん全体の0.6%ほどだが、これにより亡くなったミュージシャンや声を失った著名人の存在が印象に残っている人も多いだろう。

 女性より男性の発生率が高く、10倍に及ぶといわれる。喫煙率との相関関係があり患者の90%以上が喫煙者で、飲酒習慣によりさらにリスクが高まるともいわれる。胃食道逆流症などによる胃液の逆流で、喉頭部が慢性的に刺激を受けることもリスクのひとつだ。その他食生活の西洋化、ストレスなども良くないとされるが、これはほとんどの病気にいえることだ。予防法は「適度な運動」「健全な食生活」「ストレスの軽減」「禁酒禁煙」ということになるだろう。

 日本では外国より発症率が低いとされてきた喉頭がんだが、ここ十数年で患者が増えているという説もある。喫煙歴と発症時期との間にずれがあるだろうこと、女性の喫煙者が一時期増加傾向にあったことを考えてもいささか不思議だ。もちろん飲酒喫煙だけががんの発生要因であるわけではなく、また原因が推定できない場合も多く、「なるときはなる」としかいえない。一方で、中高年の人口が増えれば、がん患者が増加するのも確かだ。

「最近調子が悪い…」で済ませない!
声がれが1ヵ月以上続いたら要注意

 喉頭がんの嫌な点は、症状がわかりにくいこと。声帯にできた場合は声がれでわかり、早期発見ができるといわれるが、「声がかれる」という理由で病院へ向かうビジネスパーソンは多くないと思われる。声帯以外に腫瘍ができた場合には、飲食物が飲み込みにくいなどの症状が表れるが、これも「最近なんだか調子が悪い」で済ませてしまいそうだ。いちおう目安としては声がれが1ヵ月以上続く場合には専門医の診察を受けたほうがいいとされているのだが……。