後継のリーダーは次の100年を描く

しかし、いまはその大きなチャンスであり、試練のときです。
社会の常識が大きく変わっているこの時代にリーダーになった人たちは、これから100年先のビジョンを描く役割を担っているのだと覚悟したほうがいいでしょう。

そして、そのリーダーを支える立場にある人たちには、次の100年をリーダーとともにデザインする責任をぜひ楽しんでいただきたいと思います。

ただ、ここで改めてお伝えしておきたいのは、過去の全否定の上に新しいビジョンを描くのではないということです。
過去に大切にしてきた哲学はもとより、技術がいかにして磨かれ、お客様がなぜ自社を支持してくださったのかなど、過去の財産の奥にある不変的なものを見出し、その土台の上に新しいビジョンをつくっていただきたいのです。

リーダーはいかに道を決めるか

さて、ではリーダーは、いかにして次に進む道を決めているのでしょうか?
それを知ることができるエピソードを1つご紹介しましょう。

数年前、ダボス会議ヤング・グローバル・リーダーの仲間たちとヨルダンで開催された中東会議に参加した際、日産自動車社長のカルロス・ゴーンさんが、「Meet THE Leader」という私たちのワークショップのゲストに来てくださいました。

ゴーンさんのお話を聞いたあと、私たちがいろんな質問を投げかけたのですが、メンバーの1人だったある国の王子が、次のような質問をしました。