直感で決める人の「自信」は
どこから来るのか?
そんな決断ができた理由を代表取締役社長の渋谷順さんにお聞きすると、やはり「直感です」という答えが返ってきました。
メイン事業の変更というのは、リーダーの意思決定としては最大規模のものだと言っていいでしょう。渋谷さんにとっても、考えに考えた末の決断だったのは間違いありません。
では、リーダーの決断を支える「直感」の正体とは、いったい何なのでしょうか?
ここまでお話しすると誤解する方はいないと思いますが、「直感で決める」というのは、「当てずっぽう」とは違います。
リーダーの最も大切な仕事の1つは、進むべき方向・ビジョンをつくることでした。
広大な砂漠のなかで、北極星を指差し、「あの星を目指して歩もう」と信念を込めて仲間たちに語るのがリーダーです。その信念は、迷いなきものでなくてはなりません。誰からどんな反論を突きつけられても、揺るがないことが必要なのです。
では、そうした迷いなき信念のこもった決断はどこから来るのでしょうか?
本当に直感だけでそんな決断ができるものなのでしょうか?
きっとそんな疑問が湧いてくるのではないかと思います。
じつのところ、直感とは、考えに考えて考え尽くした末に、ふと浮かび上がってくる決意です。単なる思いつきや何となくのヤマ勘ではありません。ですから、リーダーの大切な仕事は、つねに考え続けることです。考え続けた人にしか、直感は降りてきません。
考え尽くしたからこそ、どんな反論にも動じない信念が生まれてくるのです。
(第9回へつづく・明日公開予定)