どれだけ相談・調査しても、
最後はリーダーの直感
「私は将来、国王になり、さまざまな意思決定に関わることになるので、リーダーとしての決断について伺わせてください。ゴーンさんは『日産はこれから電気自動車の開発を行う』と決めたそうですが、どうやって電気自動車のマーケットがあるという確信を得て、決断をされたのでしょうか?」
ゴーンさんの答えは、ただひと言でした。
「直感です」―みんなが唖然とするなか、ゴーンさんは言葉を続けました。
「まだ世の中にないもの、これから新たにつくるものが売れるかどうかなんて、調査のしようがないでしょう?」
それ以来、私は「社長トーク」で、リーダーの決断についても意識して聞くようにしています。ゴーンさんは典型的なカリスマ型リーダーのイメージがありますが、じつはカリスマ型・ビジョン型を問わず、ほとんどの社長さんが自分の決断の理由について「直感」と答えます。
もう1人、会社の大きな意思決定について伺った際に、「直感」と答えてくださった方をご紹介しましょう。
社会課題をクラウドサービスで解決する企業、株式会社スマートバリュー(本社 大阪市)は、もともと自動車整備の町工場だったのですが、まだ携帯電話もない時代に、企業向け携帯電話の販売へと大きく事業を転換させました。
いまでは、もともとあった自動車整備部門を売却し、最先端のクラウドサービスを提供する会社になっています。