筆者の知人を例に紹介しましょう。彼は、静岡のある街で中学・高校に通い、その後都内の大学に進学。そのまま、都内の食品製造業に就職しました。ちなみに彼の中学時代の同窓生は、男性の過半数が東京の大学に進学。大半がそのまま都内で社会人として暮らしているそうです。地元に集まることはあるのかと尋ねると、

「地元で同窓生と集まることはないと思います。そのきっかけをつくるのが面倒ですし」

 と答えてくれました。当然ながら、これからの人生も都内で暮らすつもりとのことでした。

「30歳の大同窓会」がUターンの呼び水に?

 このように都市部で長く暮らすことで自分が中学・高校を暮らした地元では仲間と集まる機会がなくなり、地元に対する愛着がますます減っていきます。若手人材は都市部に流出するだけで、戻ってくる人が少ない地域が大半かもしれません。

 そこで現在、各地方では、何とかして都市部で働く社会人に何かのきっかけで地元に戻ってきてもらおうと、Uターンを期待した施策が数多く行われています。ただ、それが成果につながっていないのが実情です。

 国立社会保障・人口問題研究所のしらべによると、Uターン率(出生県から転出した経験のある人のうち、調査時点で出生県に戻っている人の割合)は、40歳代前半にかけて上昇。さらに60代後半以降でUターン率が再び上昇するようです。ただ、地方の会社が求めているのは若手人材のUターン率向上。地元の未来を担う存在として、何とか若手人材に「戻ってきて」と叫びたいのが本音かもしれません。

 そこで、そのような若手人材が地元との接触をしてUターンのきっかけになるのでは、と期待されるイベントがあるのはご存じでしょうか。それが「MITOE 三十会 (みとえ)/30歳の大同窓会」と命名された企画です。

 30歳の節目に生まれ育った地元に一同に集まり、飲んだり食べたりしながら交流を楽しみ、自分の将来とホームの将来を考える大型同窓会イベント。例えば、静岡県磐田市では市内の中学を卒業した「今年度30歳になる方」による同窓会を開催。その当日に向けての取り組みがSNSで展開されて、当日には500名以上が参加し、大いに盛り上がったようです。