敢えて、筆者なりに使い分けを考えてみると次のようになる。

・全身にH2を行き渡らせたいなら、小まめに水素ガスを吸引するとよいかも。

・消化器系をターゲットにするなら、水素水の飲用も、ものによってはメリットが得られるかもしれない。

・皮膚の不調を改善したい場合、入浴剤タイプの水素風呂を試してみてもいいかもしれない。

 ただし、筆者は基本的には水素水の飲用効果に関しては懐疑的である。以下、冒頭に挙げた5つの方式に沿って説明する。

a.「水素ガス充填方式」(アルミパウチ水素水)

 安全性の点では問題ないと考えるが、高濃度競争による高価格化には意味がないと考える。『理科年表』にあるデータを元に計算すると、H2は1m3の水に0℃・1気圧下で0.98mol溶けて飽和する(気体は水の温度が低いほど多く溶ける)。これをppmに換算すると1.96ppmとなる。伊藤園の公式オンラインショップ「健康体」によると、同社の「高濃度 水素水」の水素濃度(充填時)は1.9~2.5ppmである。炭酸飲料と同様、常圧に戻った瞬間、過飽和分のH2は速やかに抜け出すため、これ以上の濃度(過飽和)は無意味である。このあたり、大手メーカーはさすがに心得ている。

b.「金属マグネシウム反応方式」(水素水スティックなどで水素を発生させる)
c.「水素生成剤方式」(耐圧容器の中で水素を発生させる)

 いずれも、マグネシウム(=b.)やアルミニウム及びカルシウム化合物(=c.)、水素を発生させるための材料としている。

   Mg + 2H2O → Mg2+ + 2OH- + H2

 からも分かるように、H2を摂ろうとすればするほど、マグネシウムイオンやアルミニウムイオンを一緒に体内に入れることになる。その生成比からして、十分なH2を取り込む前に、マグネシウムやアルミニウムの過剰摂取になるのではないかと懸念される。