できるだけ早く、小さな形にしてみせよう
経営コンサルタント・作家。株式会社ALMACREATIONS代表取締役。日本最大級の読書会「リード・フォー・アクション」主宰。上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士。コンサルティング業界を革新した顧客獲得実践会を創設(現在「次世代ビジネス実践会」)。のべ2万人の経営者・起業家を指導する最大規模の経営者組織に発展。わかりやすい切り口、語りかける文体で、従来のビジネス書の読者層を拡大。「ビフォー神田昌典」「アフター神田昌典」と言われることも。『GQ JAPAN』(2007年11月号)では、「日本のトップマーケター」に選出。2012年、アマゾン年間ビジネス書売上ランキング第1位。著書に、『あなたの会社が90日で儲かる!』『非常識な成功法則【新装版】』『口コミ伝染病』『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』『全脳思考』『ストーリー思考』『成功者の告白』『2022――これから10年、活躍できる人の条件』『不変のマーケティング』『禁断のセールスコピーライティング』、監訳書に、『ザ・コピーライティング』『伝説のコピーライティング実践バイブル』『ザ・マーケティング【基本篇】』『ザ・マーケティング【実践篇】』などベスト&ロングセラー多数。
顧客の声に深く耳を傾けていたら、新しいアイデアを思いついた。
「実現したらすごいのに、なんで誰もやらないんだろう?」
と、あなたは疑問に思うかもしれない。
けれど、その誰かとは、アイデア実現にすでにワクワクしている人、すなわち、「あなた」なのである。
だから躊躇せず、手を挙げ、実現を推進する側に回ろう。とても大事なことは、できるだけ早く、小さな形にしてみせることである。
千葉にすごい会社が!
大里綜合管理株式会社(千葉県大網白里市)というすごい不動産会社があるが、ここでは280を超える地域貢献プロジェクトを実行している。
たとえば、渋滞しがちな道路の交通整理、街灯のまわりの植栽、クリスマス時期の駅前イルミネーション設置など。
社員ひとりひとりが、地域のためにできることを気づいたら、それを即、実行している。2015年11月に、『カンブリア宮殿』(テレビ東京系)でも特集された。
同社の野老(ところ)真理子社長によれば、実行していくうえで重要なポイントは、許可を求めずに、小さく始めることであるという。
たとえば、「街路灯のまわりに花を植えていいですか?」と行政に許可を取ろうとすると、まず許可は下りない。
しかし地域住民のためになると考えたら、許可を求めずに実行する。すると、どうなるか?
「誰が、こんなところに花を植えたんだ」と、取り除かれることもある。
普通だったらあきらめてしまうが、この会社は「また植えればいいじゃない」と考え、再び植えにいく。
そして再度、花が取り除かれてしまうと、今度は地域住民から「せっかくキレイだったのに……」と、逆に文句が出るようになってくる。
結果として、花を植えることは既成事実として、まわりに応援されるようになるという。
これは地域貢献プロジェクトだけに限らない。
会社でも、同じだ。
「ラフのチラシを書いてみたのですが……」
「簡単な紹介映像をつくってみたのですが……」
「簡単な試作品を組み立てたのですが……」
と、アイデアをさっそく、形にしてみせる。
そして、それをまわりに見せたりしながら、フィードバックをすばやく得て改善していく。
【貧す人】は、まわりに許可を求めるが、【稼ぐ人】は、許可を得なくても自分でできる範囲で、小さな形にしてみせるのだ。
何も動かないことで失われるのは、経験だけではなく、あなたの純粋さである。