伝え方を授業にすれば、日本人のコミュニケーションレベルが上がる
本田 伝え方って、子どもの頃に教えてあげたほうがいいんじゃないかって思っている。日本人って、総じて伝えるのが苦手じゃない?
佐々木 そうですね。コミュニケーションに特化した授業って、ありませんからね。
本田 教育において、自分の意見を言わせるってことが少ないからね。一方、海外だと、みんなバンバン発言する。発言しない人には価値がないとみんなが思っているから、自然とロジカルに物事を伝える力、より相手に納得してもらえるように伝える力などが身に付くようになる。日本って、そういう「日々のトレーニング」の場がないからね。
佐々木 ないですよね。日本だと、テストで100点を取れば絶対にAがつくけれど、アメリカでは配点に「参加率」が含まれているから、たとえテストで100点を取ってもAを取れるとは限らない。だから、いい点数を取るために、意見を言ったり議論をするなど、授業に「参加する」ようになる。そういう仕組みが日本にはないから、詰込み型の教育になり、暗記が得意な人ばかりが増えていく。
本田 それが日本の問題点だよね。だから伝え方に関する授業があればいいのになあって。
佐々木 僕、『伝え方が9割』を教科書にしたいっていう夢があるんですよ。どうすれば、できますかね?
本田 教科書は難易度が高いけれど、「授業」にはできるんじゃない?教科書になるってことは、日本全国で一つの授業のコマとして採用されないと無理でしょう?そもそも、圭一が求めているのは「教科書になること」じゃなく、「皆が習得できるようになること」なんじゃないの?
佐々木 おっしゃる通りです。学校の先生自体が、「伝え方とかコミュニケーションは学べるもの」という考え方がないから、難しい。でも、せっかくの一度きりの人生だし、僕が残せるものはこれしかないので、頑張りたいですね。
本田 あれはどうなの?本の後に作った映像のやつ。どんなふうに作ったんだっけ?
佐々木 授業の体裁ですね。僕が講演でやっているものを元に、オリジナルで作り直しています。個人向けの講演をしてほしいとの要望をいただく機会が増えたのですが、皆さんの要望に対応する時間がどうしても確保できなくて…映像を作れば、いつでもどこでも、好きなタイミングで見ていただけるんじゃないかなと思ったんです。
本田 日本ではまだこれからだけど、海外ではオンラインの授業ってものすごく多いじゃない?それこそハーバードとかスタンフォードなどの授業もオンラインで受講できる。このように、大学のオンライン授業として展開するのもありかもね。