テレビという舞台での「伝え方」は、現在試行錯誤中

本田 そういえば、最近テレビに出るようになったじゃん。

『伝え方が9割』が支持された理由は<br />「再現性の高さ」。<br />『伝え方が9割』は、学校の授業に<br />組み入れるべき

佐々木 そうなんです。ありがたいことに、コメンテーターとして呼んで下さる機会が増えて。

本田 テレビって、短い時間で自分の意見を言わなきゃいけないわけでしょ。より「伝え方」が問われるよね。テレビに出るようになって何か変わったことはある?

佐々木 変わった…というより、変わろうという努力をしていますね。テレビ番組って、制作時間をものすごくかけるんですね。1時間番組のために、ロケや収録を1週間や2週間以上かけて準備するなんてザラで、その編集にさらに1~2週間かけたりしている。それだけの労力をかけた番組で話をさせていただく以上は、自分が話す時間の何倍もの準備をしないといけないって思うんです。…テレビに出始めた当初は、話すことをいろいろ用意したのに、これも言えなかったしあれも言えなかった…と反省していました。でも、それでいいんだと。「相当準備したうえでの1つ」が言えれば、それがベストなんだと思うようになって、さらに準備に力を入れるようになりました。

本田 それってすごく大事なことだよね。1しか用意しなかったら、1以上の結果なんて出るはずはない。だから、より良い結果を出すためには、無駄も多いかもしれないけれど何倍もの準備をすることが大切。本気で成果を出そうと思ったら、それぐらい必要だよね。

佐々木 そう思います。

本田 「伝え方」も問われるよね。たとえば講演会とかは、俺たちのことを知っていて、俺たちの話を聞きたいと思っている人が来るから、基礎知識はある程度持っているだけでしょ。でも、テレビって誰が見ているかわからない。難しい言葉や言い回しを使っていては伝わらないわけで、より分かりやすく話す必要がある。

佐々木 そうなんです。伝え方についてはプロだと思っていますが、テレビについては素人なので、努力を続けながらも「どうすればもっとうまくいくんだろう…」って悩み続けています。

本田 悩み続けるのはいいことだよ。次の本のネタがきっとそこにある(笑)。

佐々木 テレビでの伝え方が9割?(笑)

本田 今聞きながら、これって面白いテーマだなと思って。テレビで話すって、誰にとってもすごく難しいことだと思うんだよね。わかりやすく、簡潔に言う必要があるけれど、それをさらにカットされちゃうかもしれない。でも、その中でも伝え方がうまい人っているじゃない?圭一が今試行錯誤してやっていることって、絶対将来役に立つんじゃないかな。俺は聞きたいね、圭一のテレビでうまく話す極意を。それって普段の生活でも絶対に活かせると思うから。

佐々木 ありがとうございます。嬉しいですね。でもまだ試行錯誤中だから…本にできるまでは、あと8年ぐらいはかかるかな(笑)。

『伝え方が9割』が支持された理由は<br />「再現性の高さ」。<br />『伝え方が9割』は、学校の授業に<br />組み入れるべき

佐々木圭一(ささき・けいいち)
コピーライター/作詞家/上智大学非常勤講師 上智大学大学院を卒業後、97年大手広告会社に入社。後に伝説のクリエーター、リー・クロウのもと米国で2年間インターナショナルな仕事に従事。日本人 初、米国の広告賞One Show Designでゴールド賞を獲得(Mr.Children)。アジア初、6ヵ国歌姫プロジェクト(アジエンス)。カンヌ国際クリエイティブアワードでシル バー賞他計3つ獲得、AdFestでゴールド賞2つ獲得、など国内外51のアワードを獲得。郷ひろみ・Chemistryの作詞家としてアルバム・オリコ ン1位を2度獲得。twitter:@keiichisasaki Facebook:www.facebook.com/k1countryfree HP: www.ugokasu.co.jp