決断力と、自分らしさを育むコーチングの要とは?

 本書の数百を超える、いわゆるエリート家庭へのアンケートによると、主体性を育むための具体的な育て方のキーワードとして以下の声が聴かれた。

自由に決めさせる
1 自由を与え、自分を探させる
2 子どもに目標を設定させよう
3 進路に関し、子どもの意思を尊重せよ

助けすぎず、サポートする
4 自主性は尊重しても、アドバイスは十分与える
5 選択肢を示し、最終選択は子どもに任せよ
6 過保護に育てない

自分らしさを育む
7 個性を尊重する
8 「人に迷惑をかけるな」より「役に立て」
9 「小さいこと」から自信をつけさせる

自主性・主体性・決断力は将来のリーダーシップのために不可欠な資質である。実際、国際的企業での採用面接でも、年末のボーナスを決める評定でも「自主性があったかどうか」「セルフスターターかどうか」という基準が重視されている。

 なお、香港大学で教育学を学んだ香港人の友人曰く、教育学では最近まで「主体性の有無」が長期的なキャリアでの成功を左右する最も重要な要素だとされていたという。

 確かに私が接している一流のリーダーたちを見ると、自分で主体的に次々と目標を立てては決断して仕事を前に進めていくが、ダメな二流エリートは上から言われたことしかできないので常に仕事が受け身であり、面白い仕事を自分でつくって会社に対し自主的に貢献の幅を増やして出世することができない。

 一流の人材は周りに流されず自分の確固たる基準でぶれない判断ができるし、他人と自分が違うことに不安を感じず、自信満々にリスクを取って決断していく。彼らは英語でいうところの“Self-Awareness”(自己認識)を確立しており、自分にとって何が大切なのか、自分は何をやりたいのかを知っているのだ。

 これに対し二流のエリートはいつまでも上司の判断を仰ぎ、周りが同じ意見であるかどうかだけが判断の基準である。

 彼らは協調性を過度に重んじるので周囲に迷惑はかけないものの、自信と主体性が皆無で、単なる会社のコマで終わってしまうのだ。