主体性を伸ばさない教育システムに、頼ってはいけない

 日本の教育システムや会社に入ってからの人事システムは、「何をやりたいのか」という主体性を問い、それを伸ばしてくれる機会が非常に少ない。実際、ご自身が受けられた学校教育などを振り返って、「あなたは何がしたいの?」と積極的に問われたことがあるだろうか? 「自分が好きなことを探す習慣」を育まれた覚えは、頭の片隅にもない方がほとんどではなかろうか。

 私も子どものときは、「周りに迷惑をかけてはだめ!」「先生の言うことを聞きなさい!」と、今ならちょっとした児童虐待では、と思われる勢いで、小学校でビンタをくらっていたものである。一方で、(より重要と思われるのだが)「何をしたいのか」と主体性を問われたことはほぼなかったように思う。

主体性を伸ばす教育法は、学校や社会に頼れない。そもそも主体性があり前例を覆す人は、総じて出世できない国家官僚システムの中でつくられる文科省の教育プログラムに、主体性を伸ばす教育プログラムなど望むべくもないのだ。

 だからこそ、家庭や自分自身が、子どもや部下の主体性を伸ばす気持ちを持たなければならないし、主体性を伸ばすための方策を知っていなければならないのである。

 以下では『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』の中から、「主体性の伸ばし方」を扱う章の冒頭部分を、一部ご紹介させていただきたいと思う。