相互補完的なトライアングル
ゴールドラット博士の主張は、以下のシンプルな3つのロジックから成り立っています。
・「株主」が満足するためには、「顧客」と「従業員」の満足が欠かせない。
・「顧客」が満足するためには、「従業員」と「株主」の満足が欠かせない。
・「従業員」が満足するためには、「株主」と「顧客」の満足が欠かせない。
それぞれが相互補完的であり、博士はこれを「相互補完的なトライアングル」(Complimentary Triangle) と名づけています。
博士は、自ら「思考プロセス」を活用し、工場生産、流通、サービス、プロジェクトマネジメント、行政、組織問題、経営会計手法、教育など、さまざまな分野で、既成概念を打ち破る目覚ましい成果を出し続けてきました。
そして、博士の生み出した知見は、世界中の人々に広く活用され、博士が生み出した成果に勝るとも劣らない目覚ましい成果を出すとともに、博士という巨人の肩の上に立って、TOCの知識体系をいまもなお進化発展させています。
「思考プロセス」は、まさに考えるための道具。そして、それは思い込みから人を解き放ち、ブレイクスルーのアイデアを発想し、より充実した人生を過ごすことを手助けする道具でもあります。
ゴールドラット博士は、原書The Goalの序文で以下のことを述べています。
「最終的に、そして最も大切なことは、私たちは誰でもすばらしい科学者になれるということを示したかったのだ。すばらしい科学者になる秘訣は脳力(知力)にあるのではない。脳なら、誰にでも備わっている。私たちはただ現実を直視して、その現実を論理的にかつ正確に思考しなければならないだけなのである。