会社が繁栄し続けるための3つの要素

『ザ・ゴール2』のメインテーマはもちろん、全体最適の問題解決手法である「思考プロセス」ですが、それ以外にも、在庫をいかに適正化するかというサプライチェーンの手法や、相手の立場に立ち、相手が断れない提案をつくる手法なども紹介されています。

 主人公が問題に直面し、解決策を考えることを通して、手法が編み出されていくプロセスが開示されているので、より深い学びが得られるようになっています。

 さらに興味深いのは、『ザ・ゴール2』でゴールドラット博士は、モノ言う株主に対して、会社が繁栄し続けるために欠かせない3つの要素を挙げています。

 その3つとは、「株主」「顧客」「従業員」です。これらの3つの要素は、どれが一番ということではない、という博士の主張が以下の主人公のセリフに刻まれています。

『企業の目標は「現在」から「未来」にわたって「お金を儲けることです。儲けることで、投資してくれた株主にも還元することができます。

 しかし、従業員の利益を守ることも不可欠です。「現在」から「未来」にわたって「従業員に安心で満足できる環境を与える」――それが企業の掲げるべき2つ目の目標です。

 そして3つ目の目標が、「現在」から「未来」にわたって「市場を満足させること」。市場を創り出す顧客に見放されては儲けることも従業員を雇い続けることもできません。

 この3つの目標を対立させずに実現できれば、企業は繁栄し続けて明るい「未来」を持てるようになります!』