「高速反復学習」で、結果までの時間を最短化する

 彼ら、彼女らと学んでいると、インプットからアウトプットまでのスピード感にとにかく驚かされる。実際彼らは、EMBAで学んだことを即座に現場で実行し、新たな成果と課題を持って再び学びの場に帰ってくる。

 その高速反復のサイクルがもはや当たり前になっていて、EMBAでは、彼らが実践した生の事例を題材に取り上げながら、教授や講師陣はもちろん、生徒たちも一緒になって議論を重ね、さまざまな意見交換をする。

 そんな生々しい、リアルタイムのやり取りをするのだから、教授や講師も単なる知識のスペシャリストというだけではやっていけない。自身がビジネスをやっているバリバリのビジネスパーソンであることも多く、現場に即した実践的なアドバイスを与えてくれるし、逆にその現場感覚とスピード感を有していなければ、生徒側から容赦のないクレームが入る

 このスピード感と生々しいやり取りも、MBAとEMBAの違いと言えるだろう。

 言い方を換えると、学問だけでも得られず、経験だけでも得られない、「自身の実体験に教授やクラスメイトたちの経験豊富な暗黙知を加味し、経験値と知見を倍速で得る」というサイクルをカリキュラムの数だけ1年〜2年(学校によって期間は異なる)のあいだ、回転させることになる。

 ビジネスエリートたちの頭の中には「この学びが現場でどのように機能するのか」「どんなビジネスを生むのか」「どれほどの利益につながるのか」という発想がつねにあるのだ。

 だからこそ、EMBAのクラスメイトが現場で実践したケース(それが成功事例であれ、失敗事例であれ)を興味深く聞くし、矢のような質問を次々と浴びせかける。

 彼らは、真剣に学び、そして傾聴しなければ自分たちのビジネスを拡大させることがむずかしいことを知っているし、質の高いアウトプットを出すために、インプットの質と量を増やさなければならないと、本気で思っているのだ。

 だから、彼らと一緒にいると「学びのための学び」なんてことは起こらない。学びはつねに実践とセットになっており、現場からのフィードバックを繰り返し、新たな学びにつなげていく。