現場で戦う店長が
本社にしてほしいこと

【中原】クレーマーに関するお話のところで、「店で起こったことは店舗責任者の責任だ」とおっしゃっていましたが、現場の長として「本社にこうしてほしい」という要望はありますか?

【B店長】私はメニューの数をもっと減らしてほしいですね。メニューを増やしても、大して売上は変わりません。お客さんの選ぶ時間が長くなりますし、選ぶことにはストレスを感じます。同時に複数の新商品なんかが出ると、資材を置く場所をバックヤードに確保しないといけない。でも、お店のスペースはカツカツなんですよ。そしてアルバイトの方も、新メニューに慣れなければなりませんし。

【C店長】私はズバリ教育ですね。会社にはもっと社員やアルバイトの教育に時間とお金をかけてほしいです。先ほども言ったとおり、うちは出店数が増えているわけですが、このまま行くと、最終的にお客様を逃すことになるのではないかという危機感があります。出店し続ければ売上も上がるでしょうが、人件費も上がる一方で、かつ一人一人の能力は低くなっている。いつまでもこれを続けるわけにはいかないと感じています。
それなら一度出店をやめてでも、教育に投資したほうが絶対にいい。B店長さんがおっしゃたように、最初は付きっきりのマンツーマンで新人アルバイトに教えられるような環境を整えてほしいですね。外食産業というのはアルバイトさんありきですから。教育をしっかり続けていけば、アルバイトさんも辞めないと思いますし、会社自体のイメージ向上につながっていくんじゃないでしょうか。

【中原】外国人の方も、もうちょっと長く研修すれば戦力になるかもしれませんね。

【C店長】ええ、外国人が増えているからこそ、日本の接客や日本語教育などをもっと深くやるべきだと思います。

【A店長】私は東京オリンピックが終わってからどうなっちゃうんだろう、という心配がすごくありまして……。今のままのやり方でいったら、間違いなくうまくいかなくなる店が出てくるんじゃないかと思っています。どんどん人が減っていくなかで、たとえばアルバイトさんだけではなく、一時的に人がいなくなるという事態はお店として発生するので、そのときのサポートは今まで以上に考えてほしいですね。

【B店長】チェーン店だと、売上に対してのアクションは限られてしまいます。ですから、人に対しての投資をして、来ていただくアルバイトさん自身が成長できるような運営をしていったほうが、結局は会社の成長にもつながるんではないでしょうか。