【追記】政治家の失言もさることながら、
それを取り上げるメディアにも節度が求められる

いったいどんな議員のどんな失言があったのかだけをここに書き留めておく。

2016年2月17日、参議院憲法審査会で、自民党の丸山和也議員がオバマ大統領を引き合いに出して、「たとえばいま、アメリカは黒人が大統領になっている。黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ」と述べた。

氏は、「日本がアメリカの51番目の州になれば、日本州出身者が大統領になる可能性が出てくる。世界の中心で行動できる日本になり得る」とも語っていたと「産経ニュース」が伝えた。

自民党参院議員会長の溝手顕正氏は、妻の金子恵美衆院議員(新潟4区)の出産直前に別の女性との交際が明らかになった宮崎謙介衆院議員(京都3区、一連の騒ぎの中で議員を辞任)について、「うらやましい人もいるんじゃないの」と語った。

丸山、溝手両氏共にどう考えても思慮の浅い発言で、とりわけ丸山発言は人種差別だと言われても弁明できない。こうした発言の他にも、いくつか問題発言があった。政治家としての良識を求めたいが、その一方で、政治家の発言を問題発言だとして決めつけるメディアの報道にも問題がある。

2016年2月7日、丸川珠代環境大臣が福島の放射線量に関して、年間1ミリシーベルト以下を除染の長期目標に定めた件を批判した。当時の民主党政権がどのような科学的根拠で決めたのかなどについての、丸川氏の批判は正しいのか、正しくないのかなどと議論され、結局、丸川氏は発言を取り消した。

だが、1ミリシーベルト以上のところはすべて除染するという民主党政権の定めたルールが、その後どれほど福島の人々を苦しめているかを考えれば、丸川発言は問題の核心を突いていると、私は思う。

政治家の発言をあげつらう浅薄な報道をメディアは慎み、もっと内容のある記事を書かなければ、日本人の成長も成熟もないであろう。メディアにも猛省が必要だ。