空港型市中免税店の難しさ

 免税店といえば空港型免税店がいっとき注目を集めた。今年1月、三越銀座店の8階に空港型市中免税店「ジャパン デューティー フリー 銀座」が開店した。続いて3月末には、数寄屋橋の東急プラザ銀座内に、ロッテが経営する空港型免税店もオープンした。

 いずれも、化粧品を中心にいくつかのブランドショップが入店するものだが、開店以来“鳴かず飛ばず”が続いている。「いつ行っても人がいない」というのが、業界の共通認識でもある。

 実際、買い物には事前手続きに加え、予備知識が必要となる。機内持ち込みの商品としてどれだけの化粧品が購入できるのか、購入後の商品は空港のどこでピックアップすればいいのか、フライトが直行日ではなく異なる都市を経由する場合、免税条件の変更があるのかどうか…。

 購入後の荷物は空港での引き渡しとなるが、空港によっては出国審査ポイントから離れているケースもある。またフライトが経由便である場合は、その国の免税制度に従わなければならず、「場合によっては没収もある」(ロッテ免税店店員)。

 買い物の難しさに加え、決定打となったのが中国税関の検査厳格化だ。これによって、中国人による化粧品の大量購入も忽然と姿を消した。店員も「今は親戚や友人からの頼まれ物の購入は注意したほうがいい」と耳打ちする。

 観光客が日本を訪れる動機として、「ショッピング」が占める割合は高い。そのため、2014年から経済産業省や国土交通省は免税店拡大に力を入れ始めた。目下、国は「免税店を開けば外国人客が押し寄せ、街の活性化につながる」という理由から免税店の出店を後押ししているが、必ずしもそれが当たるとは言い切れない。

早期銀聯カードの導入で先手打つマツキヨ

 外国人客を取り込もうと、全国的にドラッグストアが増殖中だが、インバウンドをめぐる天下分け目の戦いはマツモトキヨシ(本社:千葉県、以下マツキヨ)とコクミン(本社:大阪府)の東西対決に絞られてきた感がある。