1ヵ月のドル/円値幅が15円を超え、記録的に大きなものとなった10月に続き、この11月もすでに同値幅は7円を超えるといった具合で、不安定な荒っぽい展開が続いています。
これはまだまだ続くのでしょうか。それを考える上で、今回はちょっと「月末終値」に注目してみたいと思います。
100年に一度の現象で試される
豪ドル/円「20年の常識」
下図は、豪ドル/円の5年移動平均線(5年線)からのかい離率(月末終値)を見たものです。これを見ると、今夏まで5年線を上回って推移していた豪ドルが、この1~2ヵ月の急落で、一転して5年線を大きく割り込んできたことがわかると思います。
豪ドル/円 5年移動平均線からのかい離率 |
ところで、このグラフでは1989年以降、つまり約20年間の豪ドル/円と5年線のかい離率を調べていますが、これを見ると、その間、豪ドルの5年線からのかい離率は基本的に±30%以内で推移してきたことがわかります。
別な言い方をすると、月末終値で5年線からのかい離率が、基本的に±30%を超えないというのが、この20年の常識ということでしょう。
ちなみに、この5年線は、10月末現在で88円程度です。それを30%下回ると、60~61円という計算になります。要するに、10~11月と何度か月中ザラ場では60円を割り込んだ豪ドルですが、月末終値でも60円を割れるようなら、それはこの20年で初めてのことになるのです。
100年に一度のことが起こっているとされる最近ですから、20年の常識など吹き飛ばされ、豪ドルは月末終値でも60円を割れてしまうのでしょうか。それとも、やはり月末終値では60円を割れず、20年の常識の重みを示すことになるのでしょうか。
豪ドル/円 週足 |