日本経済全体では円高メリットを享受できる企業が多いが、円高にはメリット/デメリットの両面がある。
ざっくり言うと小売りなど内需型企業にはプラスだが、製造業など輸出型企業にはマイナスが大きい。では日本経済全体では、どういう影響を及ぼすか!?
日本企業全体では、円高メリット企業が37.3%、円高デメリット企業が37.5%、中立が25.2%。
*日経平均を構成する225社が円高によってどのような影響が出るかを調査した結果
意外にも、円高でメリットを受ける企業とデメリットを受ける企業の割合は、ほぼ半々ということがわかった。しかし…。
上場企業(日経225銘柄)では、左図のとおり。日本を代表する大企業ではデメリットを受けるところが多い。関連会社も多いだけに、経済全体ではやはりマイナスか。
【結論】
日経平均銘柄のうち50%が円高がデメリットとなる企業。よって全体では株価は下落傾向になる!
※財務省「貿易統計」「貿易取引通貨比率」、内閣府「SNA産業関連表」よりみずほ総合研究所試算
(文/渡辺一朗) ※ダイヤモンド・ザイ2010年12月号