どんなに有名な教授でも「一緒に学ぶ」。
リアルな体験ができたのが財産
青砥 研究室といえば、学部生だったときに、「シャーレ洗いでいいから」と無理矢理頼み込んで、アルツハイマーを研究しているラボに出入りしていたんです。
山内 それはいい経験ですよね。シャーレ洗いでいいから、って、その行動力が素晴らしい。
青砥 それで、シャーレを洗う時間外に、自由に実験させてもらえたんですが、その実験結果をまとめていたら、ボスがたまたま、それを見てくれて「これ、おもしろいな、1週間後にチームメンバー集めるからプレゼンしろ」と。チームメンバーとは、ノーベル賞を狙えるレベルの名だたる研究者(教授)たちなんですよ!
梅田 日本だったら考えられないですよね。
青砥 そうなんです。日本からきた単なる留学生が、その分野の憧れの人たち、30人くらいの前で20分話す機会をもらえただけでも興奮しましたよ!
僕も力を入れて準備したんですけど、忙しい人たちなのに、みんな最初から前のめりで、立場も何も関係なくフラットに真剣に話を聞いてくれるんです。
プレゼンの後には20分ディスカッションもあって「ここは良かった」「この点はなんで?わからない」とか質問してくれたりして。トップクラスの名だたる教授たちが、学生相手に「わからない」って言えて、学ぼうとする姿勢が本当にカッコイイなと思いました。これは僕の人生で非常にいい経験になったと思っています。
山内 確かにアメリカの先生に共通している点かもしれないですね。そのフラットな関係って。授業もコミュニケーションを重要視していますし。
梅田 それについては、僕の主観ですが、日本だと儒教文化がベースになっていますよね。だから、先生や先輩は敬うといった考え方があるのでフラットに話すとか、そういう雰囲気には、なかなか、なれないのかもしれないですよね。
松山 確かにそうかもしれません。宗教や文化といった背景を考えてみると納得できますね。