ニューヨークの大学で
学びの面白さに目覚めた
梅田 僕は2年間日本の大学へ行ってから、ニューヨークの大学へ行ったんですが、日本って先生の研究テーマがあって、それを好き勝手に話す、みたいなところがあるじゃないですか。つまり、ファイナンスといっても教授ごとに研究テーマが違っているので、その教授の授業を選択しても、専攻科目全部はわからないというか。専攻科目がどんどん難しくなっているような感覚は得られなかったように思います。
でも、アメリカは、カリキュラムがきちんとしていて、専攻分野に必要な知識が初歩、中級、上級と繋がっていて、学びが深まっていく感じがするんですよね。だからアメリカだと自分がレベルアップしてる、と実感できるんですよ。ゲームのレベルが上がるような、どんどん強くなるというか(笑)それが楽しくて。
株式会社スペイシー CFO
両親の転勤などで幼少期にマレーシア、シンガポールに住む。その後、法政大学に入るが中退、留学し、ニューヨーク市立大学バルーク校にて金融などを学ぶ。ニューヨークにて投資銀行に勤務後、金融危機で帰国。国内事業会社の財務部門を経て、(株)スペイシーにCFO(財務・経営企画担当)として参画。今、注目のシェアリングエコノミ―、主に首都圏で空きスペースを活用した会議室運営の情報提供、決済などを行うサイトを運営、業界に革新的な視点を持ち込んでいる。柔術青帯。
山内 実は、最近、私のところにくる相談で、日本の大学がつまらないから留学を考えている、という人が増えています。
梅田 僕がそうだったので、その気持ちはわかります(笑)。
山内 いちばん楽しかったのはどんなところですか?
梅田 そうですね…NYって、世界の中心というか、どんな業界でもトップの人がいるんですよ。金融、経済だけでなく、音楽、ファッションなどの芸術系なども。そして、会いに行こうと思えば行けるんですよ。そういう経験ができたことですかね。
山内 梅田さんも行動力がありますね!たとえば、どんな人に会いに行ったんですか?
梅田 たとえば、ヘッジファンドで伝説と言われた人とパートナーを組んでいた人にお会いしました。実際に何億ドルものお金を動かして、世界経済の中心にいた人の話を直接聞けるのは、なかなかない体験だったな、と。
あと、これはルームシェアしていた友人の話ですが、彼はミュージシャンで、地下鉄とかで太鼓を叩いていたら、ソニーミュージックの人にセッションしてみない?って言われて、ついて行ったらローリン・ヒルがいた、とか。そんな話が身近で普通にあるんですよね。
歯医者に行ったら55万円!
アメリカの医療費は高すぎる…
山内 逆に辛かったことは?
梅田 病院に行けなかったことですね!(即答)。高すぎて、フルカバーする保険に入っていなかったので、学校外で病気をすると大変でした。
青砥 あ、僕も保険は入ってませんでした。保険料、高いですよね。
梅田 それで、ニューヨークの年末年始の超寒い時期に、ルームメイト4人ともインフルエンザにかかってしまって…
青砥 うわあ、大変!(笑)
梅田 みんな40℃くらい熱が出ちゃって、一番低い38℃台のヤツがメシを作るとか…(笑)。2週間くらい、乗り切るのが本当につらかったですよ。
あと歯医者もすごく高額で。一度、もうギリギリでガマンできない状態で行ったら、普通に5000ドル(110円換算で55万円)請求されたんです。格安チケットで、日本に帰って治療した方が安かったーと思いましたよ(笑)