日本でどんな高校に行っていても、「編入」という方法で、東大や京大よりランキングが上の海外のトップ大学に行ける!という方法を紹介した『東大・京大卒に勝てる!世界のトップ大学に編入する方法』も好調な山内勇樹さん。
一方で、5000組の親子と面談してきた教育コンサルタントで『できる子はどっち?』という著書もある沖山賢吾さん。
このおふたりの連載第2回目は、「アメリカ留学費用は本当に高いのか?」を検証。就職まで考えるとすぐにモトが取れる留学を選ぶのもアリ?
(取材・文 黒坂真由子、撮影 宇佐見利明)

中学受験300万円、留学半年で200万円…。<br />これだけかけて最終学歴がGMARCHでいいのか?

知らず知らずのうちに
教育費が積み上がる!

中学受験300万円、留学半年で200万円…。<br />これだけかけて最終学歴がGMARCHでいいのか?山内勇樹(やまうち・ゆうき) 株式会社Sapiens Sapiens代表取締役。留学コンサルタント1980年長崎生まれ、広島育ち。高校時代は体育高校で偏差値39だったが、高校卒業後アメリカ・カリフォルニア州に渡米。公立短大であるLong Beach City Collegeへ入学後、編入でUCLAに入学、卒業。脳神経科(Neuroscience Major)専攻。2006年より、日本にて留学サポート・英語指導に関するサービスを提供。短大留学後、500人以上(うち半数は進学校ではない高校生)をトップ大学に入学させる手法は、グローバルを標ぼうする私立、公立高校からも注目されており、今、もっとも注目すべき留学コンサルタントである。英語力はTOEIC990点満点、TOEIC SW400点満点で、総合満点=日本で1位レベル。著書に『東大・京大卒に勝てる!世界のトップ大学に編入する方法』(ダイヤモンド社)、『Storyで覚える! TOEICテスト エッセンシャル英単語』(かんき出版)がある。

沖山 海外留学はお金がかかる、とよく言われますけど、日本での教育も実は結構かかっているんですよね。

山内 ええ、確かにアメリカはここ数年、授業料が高くなって、さらにそれ以外に生活費もかかりますから「高い」と考える親御さんも多いです。でも、もらえる給付型の奨学金も多いですし、私のイメージとしては、日本で中学受験してちょっと高い私立大学まで行かせた場合のトータルの金額くらいかな…と思います。

沖山 データを見てみましょうか。文部科学省が調査している「子どもの学習費調査」というものがあって、授業料だけでなく、塾や習い事などの費用も含めた数値が公表されているものです。

あと、大学の費用は、日本政策金融公庫総合研究所が公表している「教育費負担の実態調査」で、大学入学費用、および在学費用の平均値が出ています。このへんのデータを拾って「小学校から大学まで全部公立だったら」「全部私立だったら」というやつを計算してみました。保険会社やFPなどがよく使っているものです(笑)

山内 最新のデータ(平成26~27年度)によると

・全部公立だとトータルで984.8万円
・幼稚園と小学校だけ公立で、中学以降全部私立(文系)だと1635.5万円
・全部私立で大学も理系だと2589万円

となっていますね。

沖山でも、これって、私に言わせれば全然、実態を伴っていない実感があります。大阪を含めた首都圏の親達は、もっともっとかけていますよ。「小学生で1年間に使う塾代(学校外活動費)が約22万円」などとなっている。ありえないでしょ。桁が違いますよね。地方はもちろんそういうところもあるかもしれないけれど、都市部になればなるほど、お金を使っているから。

山内 全国の「平均値」で算出していますからね。

沖山 平均値だと、100万円支出している人と、塾にいかない0円の人がいたら、50万円の平均になってしまう。中学受験しない人は受験の塾に行かないですからね。

「中央値」にしたらもう少し全体像が見えるのにね。こんな数字では実体はわからないし、データを鵜呑みにしてはいけないんです。みんなもっとかけているんだから。特に私立に進学させるなら、データ以上にかかることは覚悟しておいた方がいい。実感としては中学から私立だと、トータルで2000~2500万円、家庭によってはそれ以上はかけていると思います