日本でどんな高校に行っていても、「編入」という方法で、東大や京大よりランキングが上の海外のトップ大学に行ける!という方法を紹介した『東大・京大卒に勝てる!世界のトップ大学に編入する方法』も好調な山内勇樹さん。
山内さんご本人も偏差値39からUCLAへ留学したが、ほかにも短大からの編入ルートで留学した3名に集まってもらい、座談会を開催した。
英語が苦手でも、留学して好成績を取るのは本当に可能なのか?実際にアメリカのトップ大学で学んだ3名の体験を語ってもらった!
(取材・文 児玉真悠子、撮影 宇佐見利明)

編入の第一歩、短大への入学は
英語力は問われない!

山内 世界のトップ大学に「編入」する第一歩は、まず向こうの短大や大学に留学することです。中でもアメリカの短大に入学するためのハードルは、そんなに高くないと拙著『東大・京大卒に勝てる! 世界のトップ大学に編入する方法』でご紹介しました。

4年制大学の出願時には英語力を測るTOEFLなどの点数が求められますが、短大出願時には提出義務はありません。また短大入学のために必要なのは、高校の成績で10段階評価の平均6あれば入学できますし(学校によっては平均3でも可)、足りない英語力は、短大入学前に語学学校に通えば、入学が認められます。

山内勇樹(やまうち・ゆうき) 株式会社Sapiens Sapiens代表取締役。留学コンサルタント1980年長崎生まれ、広島育ち。高校時代は体育高校で偏差値39だったが、高校卒業後アメリカ・カリフォルニア州に渡米。公立短大であるLong Beach City Collegeへ入学後、編入でUCLAに入学、卒業。脳神経科(Neuroscience Major)専攻。2006年より、日本にて留学サポート・英語指導に関するサービスを提供。短大留学後、500人以上(うち半数は進学校ではない高校生)をトップ大学に入学させる手法は、グローバルを標ぼうする私立、公立高校からも注目されており、今、もっとも注目すべき留学コンサルタントである。英語力はTOEIC990点満点、TOEIC SW400点満点で、総合満点=日本で1位レベル。著書に『東大・京大卒に勝てる!世界のトップ大学に編入する方法』(ダイヤモンド社)、『Storyで覚える! TOEICテスト エッセンシャル英単語』(かんき出版)がある。

ただし、その後、短大に入学してから、目標のトップ大学に編入できるようないい成績を取らなければならないので、どんな科目を取るのか、さらに日本の学校のような暗記に頼るような授業ではないため、勉強にもそれなりのテクニックが必要になってきます。

拙著にも、そのあたりのテクニックはいろいろと書きましたが、今回は実際に留学した方たちの経験を語ってもらおうと思います。

連載1回目に引き続き、最初は英語が達者でなかったにもかかわらず、短大を経由してトップ大学へ編入した3名、UCLA(カルフォルニア大学ロサンゼルス校)卒の青砥瑞人さん、ニューヨーク市立大学卒の梅田琢也さん、コロンビア大学院卒の松山恵美さんに、実際の授業の様子や勉強方法などを聞いてみたいと思います。

山内 まず、カリフォルニア州の短大から、ニューヨーク州の大学、そしてコロンビア大学の大学院を卒業した松山さん。留学のきっかけは「ビバリーヒルズ青春白書」にあこがれたそうなんですが、英語はどうでしたか?

松山 短大1年目は、英語をあまり使わなくてもいい「音楽」「美術」「数学」などを取ることにしました。それは正解でしたね

高校では英語が好きで、授業の成績もそれなりに良かったんですが、留学当初はホントに英語が聞き取れなかった…!!宿題のページが違っていたり、オリエンテーションでの集合場所を勘違いして、ぽつんと一人で待っていたり…。

梅田 「ここに集まって」という「ここ」が聞き取れないんですよね。

松山 そうなんです。でも、半年くらいたつとなんとかなってきて、2年目以降は生物や歴史などの英語力が必要な教科も履修できるようになりました。現地に住んでいたら、ヒアリング力は向上するので、あとは教科書を読み込んでテストに備えれば、成績は意外と大丈夫でしたね。

梅田 そうそう、向こうのテストはできているか確認するためのものだから、きちんと教科書で勉強して臨めばよい点は取れる。

「寝る」「私語」はありえない!
アメリカの授業は発言が必須

松山恵美(まつやま・えみ)
株式会社OBG CEO
新日本物流株式会社 副社長(Vice-president)
高校卒業後に留学、ロサンゼルスの短大を経てニューヨークの大学を卒業、その後コロンピア大学院でソーシャルビジネスで修士号を取得。帰国後、父の経営する運輸会社に入社。経営陣として運営に携わりながら社内情報インフラやCIの再構築、また対外的な広報・PR活動などを通じ古い体質の企業イメージの刷新。不動産業、システム開発から保守メンテナンスや廃棄処分までの輸送にまつわるサービスをワンストップで提供できる総合物流サービスを展開している。現在副社長を務める傍ら、企業の語学教育や輸出代行を主とする会社を起業、CEOとして活躍中。

松山 ただし、アメリカの学校は、たとえ授業に出ていても、ちゃんと発言しないと「出席」と見なされないんです。これは、カルチャーショックでした。日本では、先生の話を聞くだけの受け身の授業だったので、そもそも何を言えばいいのか分かりませんでした。

青砥 シラバスにも「授業に積極的に参加すること」とか条件が書いてありますからね。

松山 そうなんです。ほかの学生もちゃんと手を挙げて意見を言っている。意見を言わないといい成績も取れないし、そもそも出席扱いにしてくれない…って、最初は「どうしよう」と思いました。

 でも、英語が聞き取れるようになってくると、ネイティブの学生たちが大したことを言っていないことに気づいたんです(笑)。

梅田・青砥 そうそう、とりあえず意見を言っているだけ、ってことも多いんですよね、実は(笑)
 
松山
 みんなすごいことを言っているんだろうな、とか、私もいい質問をしなきゃ、と思い込んでいたのですが、「共感しました!」という感想でも発言と見なされると分かって、そこからやたら多用していました(笑)。

梅田 僕も困った時に使っていたワザがありますよ。先生のまとめと同じ内容を書きとめて、授業の最後に「要するに、○○(まとめ)ってことですよね?」と言う。高い英語力はいらないので、オススメです。

山内 おおー、いいですね!(笑)

梅田 そのワザだと、先生も「Exactly!(その通りです!)」と喜んでくれるんですよ。ポイントは、先生が言った直後ではなく、時間を空けることですね。

山内 アメリカは、言ったもの勝ちってところはありますよね、社会人でも「リーダーシップ=話すこと」だと勘違いしている人は多いですよ。発言を評価しすぎる授業の弊害かもしれません。