ワクワクできる夢や希望を語り合おう

 むしろビジネスパーソンには、「ビジョン」といった言葉が相応しく思えるかもしれない。ビジネスセミナーなどに行けば、「ビジョンを明確にしなさい」と言われるだろう。

 けれども「明確なビジョン」を描こうとすると、私たちは目指すものを、「夢見るもの」や「希望するもの」から、「形にしやすいもの」や「説明しやすいもの」に変換しがちなのだ。

 また、「ビジョンを語る」などと言うと、想像されるのは経営者が将来計画をプレゼンするような、少々堅苦しい印象がある。

 一方で「夢を語る」とか、「希望を語る」ならば、どういう印象だろう?

 私が想像するのは、飲み屋などで親しい仲間と、楽しく語り合ったりしているようなイメージである。苦しいときでも、そんなふうに夢や希望を語る場があれば、それだけで「明日も頑張ろう」という気持ちになる。

 そう、そんな楽しいイメージこそ、スパイラルがらせんを描いて向かっていくところとしては相応しい。

 私たちの「流れ」を引っ張っていくのは、夢や希望に象徴されるような、楽しさやワクワク感を持ったエネルギーなのである。決して「そのために努力しなければならない」という、圧迫感を与えるものであってはならない。

 だからあなたも、夢や希望を描こうではないか!

 ただ、夢や希望を語っていても、まったくそれが実現しそうにない人はいる。それは語られる夢や希望が、「今やっている仕事」とまったくつながっていないからである。これではいつまでもホラ吹きで終わってしまう。

 そうならないためには、「将来的な希望」ともう1つ、「今日1日の希望」も明らかにしておくことだ。

 それは「プロ野球選手になる」という希望を語るなら、「今日1日、寝る前に必ず素振りを100回はやる」といった具合である。

 未来においてやりたいことと、今日・明日にやりたいこと、この2つをつなげる習慣をつくると、自分が向かう「流れ」の方向も定まってくる。