肌はなぜ「老化」するのか
活性酸素にまつわるメカニズム

 そもそも、肌の老化はどのように引き起こされるのだろうか。肌の老化には、「内因性老化」と「外因性老化」の2種類がある。

 内因性老化は、遺伝的要因であらかじめ規定されており、一般的に50歳を超えると細かいしわやたるみ、乾燥などが顕著になってくる。いわゆる自然老化のことだ。

 一方、外因性老化とは、主に紫外線による「光老化」を指す。「老化の8割は光老化」と言われるほど、内的要因に比べて圧倒的に影響が大きく、日常で紫外線を浴び続けることにより、深いしわやシミが目立つようになったり、皮膚がんを引き起こすこともある。

「肌にシミやしわ、たるみができるのは、紫外線などにより皮膚の表皮と真皮の細胞内で“活性酸素”が発生することが原因です。活性酸素によりコラーゲンが合成される力が弱くなったり、さらには分解が進んだりします。加えて活性酸素には、組織の炎症を誘導したり、再生を低下させる働きもあるのです」

 活性酸素という言葉は、日常生活においてもよく耳にする。私たちの細胞は、細胞内のミトコンドリアで酸素を消費することで、生命維持に必要なエネルギーを得ている。その過程で、体内に取り込まれた酸素の一部が、通常よりも活性化された状態になったものを活性酸素という。つまり、呼吸をするだけで、活性酸素は常に発生している。

 活性酸素は体内の免疫機能や感染防御に用いられている一方で、前述のように、過剰になると細胞にダメージを与え老化や病気の原因になる。

「活性酸素は、紫外線だけでなく、喫煙、環境汚染、過度なストレスなどによっても増加します。さらには、PCやスマートフォンなどが発するブルーライトでも活性酸素が誘導されるという報告もあります」

 まさに、現代人の生活環境やライフスタイルは、活性酸素が過剰に産生されやすいといえる。

 日常生活において、いかに活性酸素の過剰な産生を抑えるかが、老化を緩やかにするためのポイント。果たしてCBDは、活性酸素に対してどのような働きをするのか。臨床カンナビノイド学講座では、「表皮細胞内の活性酸素産生に対する効果」を調べる実験を行った。