大手ファミレスチェーンのサイゼリヤは、マクドナルドを「世界一のマネジメント力のある企業」として研究し、自店の改善・改革につなげているという。また飲食店に限らず、ユニクロの他、大手のコンビニ、スーパーといった異業種の店舗視察も欠かさないのだとか。業界の雄が掲げる“我流に頼らない”科学的経営とは。※本稿は、正垣泰彦『サイゼリヤの法則 なぜ「自分中心」をやめると、ビジネスも人生もうまくいくのか?』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。
成長・発展しているものから
学んだことは、すべて正解だ。
ビジネスで「自分中心」にならないためには、我流でやらないことです。
もしあなたがその分野の第一人者だと言われていて、圧倒的な成果を出して社会に貢献しているなら、しばらくはそのやり方を貫いても大丈夫。
でもそうではないのに、自分の感覚や経験だけでやってしまっている自覚があるなら、これを機にぜひ一度立ち止まってみてください。
ところで、あなたがやっている仕事で、世界で一番社会に貢献している人や、会社を知っていますか?
日本で一番でもかまいませんし、人だったら、あなたの勤めている会社で一番でもかまいません。
仮に知っていたとして、その人がどうやって成果を挙げているか、知っていますか?もし本やSNSなどで情報が出ているなら、それらを読むことで見えてくることもあるでしょう。
実際に会いに行って、話を聞けるとなおいいですね。きっと、大きな学びがあるはずです。
世界一優れた人や、成長・発展している企業のことを知ると、目指すべき方向性や目標が見えてきます。あなたのロマンやビジョンが、はっきりとした形で浮かび上がってくるでしょう。
方向性と目標があれば、努力できるようになります。それがなく、どこに行けばいいのかわからないようでは、努力できません。
それに、我流でやっていると、迷います。迷いがもたらすのは、無秩序と苦しみです。これでは努力しても良い結果には結び付かないので、きっとつらいと思います。
今のサイゼリヤがあるのは
マクドナルドのおかげ
私が大いに学ばせてもらっているのは、マクドナルドです。
世界一のマネジメント力のある企業で、「おいしさと笑顔を地域の皆さまに」を理念に世界約4万店舗を展開しています。店舗数は、なんとサイゼリヤの25倍以上です。
マクドナルドは、最も経営を科学している企業と言ってもいいと思います。
売上高利益率が40%以上で、本当に無駄がない。世界中でほとんど同一の商品を売ることを実現させた背景には、科学的に導き出された工夫が無数に存在しています。
世界屈指の大企業の中にフードサービスがあるということは、私たちに希望を与えてくれました。
なぜなら、サイゼリヤもマクドナルドのように、世界中の人々を幸せにできるほど成長・発展できる可能性があることを、その身をもって示してくれているからです。