ビジネスの基本は
「観察」「分析」「判断」「実行」
特に面白いのは価格設定です。
一例ですが「商品の価格差を広げすぎてはいけない」という法則を発見しました。
たとえばスーパーの陳列棚を見ると、同一アイテムの「最高値商品」と「最安値商品」の価格差が、必ずと言っていいほど2倍以内に収まっていることに気づきます。
とあるスーパーの牛乳売り場を見ると、1000mlの紙パック入りのさまざまな牛乳が並んでいます。そのバリエーションの豊かさには驚くばかりですが、商品の価格差は2倍以内に収まっています(168~298円)。
もしかしたら、ただ売れない商品をやめ、売れそうな商品を新たに投入することを繰り返すうちに、価格差が「2倍以内」に縮んでいったのかもしれません。
サイゼリヤで言うと、パスタ、ピザ、ドリアなど料理のカテゴリーごとに、一番の高額メニューと一番の安値メニューの価格差を、2倍以内に収めるということです。
一番安いパスタは300円(ペペロンチーノ)、一番高いパスタは600円(たっぷりペコリーノチーズのカルボナーラ)なので、価格差は2倍以内に収まっています。
このように価格差を2倍以内に留めておくことで、価格を気にせずにメニューを選べる安心感をお客様に与えることができるのです。
ストアコンパリゾンを繰り返すことで、お客様の心理を読み解くヒントを教えてもらったような気がしています。
これは、たとえば紳士服についても言えることです。
3万円のスーツと、30万円のスーツが並べて陳列されていることはまずありません。
30万円のスーツを見てしまうと、3万円のスーツを求めてやってきたお客様の不満につながります。値段が10倍も違うので、それだけ品質の差があるような気がして、購買意欲が揺らいでしまうのです。その心理は当然でしょう。
私はよく、ビジネスの基本は「観察(=問題点を見つけること)」「分析」「判断」「実行」だと言っています。
正垣泰彦 著
あなたより優れた人、優れた企業をよく観察して、分析し、取り入れられそうなものは取り入れるという判断をして、実際に実行してみてください。
ポイントは、小手先での真似事はしないこと。
たとえば商品をそのまま真似しても、だいたい失敗します。その商品を企画してつくり、お客様に届けるまでの優れた仕組みやシステム、考え方を学ぶことが大切です。
正しい方向を向いて努力すれば、けっして空回りすることはありません。
必ずや「人のため」となり、大きな実を結ぶことでしょう。