「日本で一番注目している街はアキバだ。」先日、海外ファッションブランドの某デザイナーから、こう言われた。いま、秋葉原の街が世界から注目されている。世界から見れば、アキバこそ「クール」で、アニメ、地下アイドル、そして家電と、世界に通じる文化をアキバは次々と生み出しているのだ。そんなアキバワールドは、もはやオタクだけの世界ではなくなっている。世界が注目するその魅力はどこにあるのか。筆者は実際にアキバを視察して気づいた消費の動向やトレンド予測を数回にわたってお伝えする。

新しいスタイルはアキバから生まれる

「ご主人様、お嬢様。今日はようこそアキバにいらっしゃいました。これからアキバの魅力を私がご案内してお伝えしてまいりますっ!!」

 先日、10名ほどの経営者の皆様と「アキバ視察ツアー」を敢行した。

 お客様トレンド勉強会という会の一環だ。同会はこれからの消費者トレンドを掴み、経営のヒントにつなげようという趣旨で行っている。「お客さん」のことを勉強する会だ。室内で勉強ばかりしていても「お客さん」のことはわからないということで、街に出て時流を掴もうと定期的に視察を行っている。訪問先は今回、世界から注目されるアキバにした。

 集まった経営者達は40~60代。みなさんに聞くと、「秋葉原に来たのは40年ぶり」とか、「実は今回が初めてです」という方ばかり。アキバのことは話には聞いていたものの、実際にその目で今のアキバを見たことがない方ばかりだった。

[アキバレポート1]世界はOTAKUをCOOLと言う!<br />アキバ文化は日本をリードする最先端トレンドだ秋葉原案内所ガイドのマスダさん

 私達は、「秋葉原案内所」というJR秋葉原駅前にある案内所の方にアキバの案内をお願いした。同案内所は株式会社アキバ地域活性化事業という会社が運営をしている。2006年に設立されて以来、アキバを訪れた延べ約120万人を案内しているアキバのプロフェッショナルだ。

 案内は設立以来、ガイドを勤める、自称、カメラオタクのマスダさん。メイドの格好をしたマスダさんの先導のもと、私達はアキバをぐるぐるまわった。