Photo by PIXTA「うちの子、本は読まないけど、おしゃべりは流暢だから大丈夫」と思っている親も多いのでは。しかし…… Photo:PIXTA

読書をしない子どもが増えている。本を読むことで言葉は豊かになるが、「うちの子、本は読まないけど、おしゃべりは流暢だから大丈夫」と思っている親も多いのではないだろうか。しかし、「言語には2つの分野があり、“おしゃべり”ではない方の分野の発達が知的活動には重要」と指摘するのは、『読書をする子は○○がすごい』(日経プレミアシリーズ)の著者・榎本博明氏だ。子どもの学習能力や思考能力を伸ばすために必要な言語力は、どうしたら身につけられるのだろうか。

生活言語と学習言語は別物

 私たちは言葉でものを考える。この本を読みながら、「なるほど、やっぱりそうだよな」と共感しながら自分自身の子ども時代を振り返り、そういえばあんなこともあったなと思ったりするときも、「それはちょっと違うんじゃないかな」と批判的な気持ちになって自分の子ども時代の記憶の中から反証となるような出来事を引っ張り出したりするときも、言葉を使って考えているはずだ。

 言葉を使ってものを考えるのであれば、頭の中に言葉を豊かに蓄積している人ほど緻密に考えることができるということになる。その際、言葉といっても、日常会話で使う言葉と学校の勉強をしたり本を読みながら人生について考えたりするときの言葉を区別する必要がある。

 教科書を読んでも理解できない中高生や授業中の教員の解説を理解できない大学生でも、日常会話は普通にこなしている。むしろ勉強ができる生徒・学生よりも流暢にしゃべっている者も少なくない。そのような生徒の授業中の絶え間ないおしゃべりに手を焼くというのは、教員ならだれでも経験していることだ。