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コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はJR東海、JR東日本などの「鉄道」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

鉄道5社中4社が四半期増収でも
コロナ前と比べると…

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の鉄道業界5社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・JR東海
 増収率:40.3%(四半期の売上高1806億円)
・JR東日本
 増収率:30.2%(四半期の売上高4334億円)
・JR西日本
 増収率:9.4%(四半期の売上高2020億円)
・京王電鉄
 増収率:15.0%(四半期の営業収益680億円)
・東急
 増収率:マイナス5.0%(四半期の営業収益1992億円)

 なお、小田急電鉄、阪急阪神ホールディングス、近鉄グループホールディングスについては、会計方針の変更に伴って前年同期実績との比較が不可能であるため、今回は掲載を見送った。

 今回取り上げた鉄道業界5社の四半期増収率(前年同期比)は、5社中4社でプラスとなった。特に、JR東海、JR東日本は3~4割の大幅増収となっている。

 しかしこの増収の背景には、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて前年同期に当たる20年4~6月期に売上高が大幅に減少していた事情がある。前年同期の落ち込みからの「反動増」が増収率を押し上げた側面が強いのだ。

 一方でコロナ前と比較すると、いまだ鉄道業界は厳しい状況にあるといえる。次ページ以降では、データを交えて詳しく解説する。