英検取得者を優遇する入試は女子校に多い。大妻中野でのICT機器を利用した授業風景 写真提供:大妻中野中学校・高等学校

小学校高学年で英語が教科化

 2021年1月から導入予定の「大学入学共通テスト」。30年余続いた大学入試センター試験の後継として、新しい学び方にそぐう形で設問なども大幅に見直されている。予定通りの実施が発表されたが、新型コロナ禍で学習進度の遅れも懸念されるため、とりわけ現役の受験生には大変な事態となっている。

 入試制度は、周知期間を考えて実施の2年前には決定しているのが通例だ。しかし、大学入学共通テストに関しては、急転直下というしかない流れで、2つの改革点がご破算となってしまった。

一つは、アルバイトの大量動員で採点に当たらせようとしていた国語の記述式で、自己採点とのずれを指摘する声とも相まって、昨年末の段階で2021年の見送りが決まった。

 もう一つは、民間英語検定試験スコアの活用で、「読む」「聞く」「話す」「書く」という英語の4つの技能の水準を測ろうというものだった。こちらは文部科学大臣の「身の丈」発言のあと、昨年11月に取りやめが決まった。

 迷走する大学入試改革については、別の機会に考えてみたいが、今回は中学入試での民間英語検定試験の活用がテーマである。

 小学校では2020年から全面実施となる新しい学習指導要領。その目玉の一つが小学校高学年(5・6年生)での英語の教科化だ。年間70時間、毎週2コマは英語の授業が行われることになる。学ぶ単語数は600~700語といわれ、現在の中学3年間での半分ほどの語数を小学校で学ぶことになる。

 併せて、小学校中学年(3・4年生)には、それまで高学年がやっていた外国語活動(年35時間)が下りてくる。つまり、小3になったら学校で英語に触れることになるわけだ。

 これまで中学入試では、帰国生を除けば英語を課すことはなかった。ところが、こうした国の方針に沿う形で、英語を一般生対象の入試でも取り入れる傾向が広がってきている。

 首都圏模試センターでは、2020年入試で、選択の対象であれ英語入試を導入した首都圏中高一貫校のリストを公表している。その数は141校。全体の実に半分近くの中高一貫校が英語の試験をすでに扱っているわけだ。

 中学入試の問題は、一般に、中学校の教育内容を1年から1年半程度先取りするような形で設定されている。英語に関して、「入試教科化」が進むようになると、これまでの中学3年間で学ぶような知識量を今後は問われるようになることも想像される。

 国数理社の4科だけでも大変なのに、英語も加わり5科となれば、まるで高校入試のようではないか。