相川俊英
第75回
お盆休みの帰省の度に衰退する故郷に、寂しさを感じる人は多い。地元の昭和ひとけた世代が80代を迎え、彼らの田畑を地元で継承する者がいない「2015年危機」も不安視される。過疎の発祥地・島根県ではどんな地域活性化策を練っているのか。

第74回
長年地方自治の取材をしているが、民意を反映した政策運営を行う首長にはなかなかお目にかかれない。そんななかで、三重県松阪市の山中光茂市長は、首長も行政運営も談合で決まる無風地帯で再選を果たし、住民との直接対話を徹底している。

第73回
卵かけご飯専用の醤油「おたまはん」で、全国的な卵かけご飯ブームの火付け役となったのが、島根県雲南市の吉田町だ。同町の「吉田ふるさと村」は、独創力と調整力に富んだ地域の「チエもの」たちが運営する異色の3セクである。

第72回
悪条件に屈することなく、地域を自力で活性化させている自治体はある。その1つが、「芸術と文化による地域再生」を進める徳島県神山町だ。国内外のクリエイターやIT起業家が「せかいのかみやま」と呼び、こぞって移住るすのはなぜか。

第71回
過疎と高齢化に悩みながら、高齢者を活用した「つまものビジネス」で息を吹き返し、地方再生のモデルケースとなった徳島県上勝町。高齢者が生き生きと働くこの町には、若者をはじめとする移住者も増え始めた。いったいどんな魔法があるのだろうか。

第70回
全国の自治体関係者が「奇跡の村」と呼ぶ、長野県の小さな山村「下條村」。合計特殊出生率が1.92人と全国屈指の高さを誇り、財政状態も健全堅実そのものだ。背景には、特別な施策があったわけではない。卓越した“村民力”こそが鍵だった。

第69回
福岡県粕屋町は、厚労省の人口問題研究所が発表した地域別将来推計で、全国トップの人口増加率を記録した。縮小社会にもかかわらず人口を増やし続ける自治体が、福岡市周辺に集中しているのはなぜか。また、人口増の中身はどうなっているか。

第68回
連休の谷間にある山村を訪ねてみた。厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が先日発表した2040年までの地域別推計人口で、全国一の人口減少・少子高齢化が見込まれる群馬県南牧村だ。この地の住民たちはどんな対策を練っているのだろうか。

第67回
山梨県北杜市の住民たちが、市への抗議から水道料金の不払いを続けている。水道事業の統合がなされないまま市町村合併が行われ、その見直しの過程において、水道料金の格差が住民間で生じているという。なぜそんな事態になったのか。

第66回
全国の自治体では、行政と住民の双方に「おまかせ」や「おうかがい」、「おねだり」や「おしつけ」の姿勢が蔓延している。そんななか、少子高齢化と財政難の克服を目指す香川県三豊市の取り組みは、「新しい公共」を考える上で参考になる。

第65回
過疎化や人口減少の影響で、議員の固定化や世襲化、持ち回り化といった現象が進行している地方議会。各地で無投票選挙が増えており、今後は再選挙が急増しかねない。選挙そのものが存続の危機に直面した地方自治体の実態をお伝えする。

第64回
日本一裕福な自治体、愛知県飛島村。若者や高齢者への手厚い行政サービスは群を抜く。にもかかわらず、なぜか人口がちっとも増えない背景には、意外な理由があった。地の利がお金を呼び込む一方、人を呼び込む障壁にもなっているのだ。

第63回
日本中に衝撃を与えた夕張市の財政破綻劇から7年。あれからかの地はどうなったのか。久しぶりに高速バスを降りた筆者は、いまだ寒風が止まない厳しい現実を見る。しかし、市民の心の中には“太陽”が戻りつつあるようにも感じた。

第62回
日本では、国が有利な地方債の仕組みを通じて、地方自治体に公共事業を促してきた。今や日本中にハコモノが乱立している。足もとで問題になっているのは、老朽化したこれらのハコモノをどう維持・管理するかだ。自治体関係者の悩みは深い。

第61回
大雨で氾濫し、大きな浸水被害を引き起こした熊本市内の白川。治水事業の遅れに住民は怒りを噴出させている。ただ、白川の治水対策には立野ダムの建設事業と絡んだ複雑な経緯がある。白川改修計画は復活したが、不満の声は止まない。

第60回
全国の自治体が巨大な時限爆弾を抱え込んでいる。それは莫大な公共投資によってつくられた「朽ちたハコモノ」の改修問題だ。関係者が手をこまねるなか、いち早くハコモノの再配置を進める神奈川県秦野市の取り組みを紹介しよう。

第59回
我々の日常生活がいかに危ういものかを痛感させられたのが、笹子トンネル事故だ。老朽化したインフラはトンネルに限らない。全国各地には、危険なダムやため池が数え切れないほどある。それらは「リスク」を貯め込んでいるようなものだ。

第58回
結婚よりも離婚する方が大変だとよく言われ、世の中にはドロドロの離婚劇にまで発展するカップルもいる。それは、平成の大合併で“結婚”した自治体も同じ。今回は、熊本県菊池市で勃発した一部住民の「独立運動」を紹介しよう。

第4回
衆院選でどの党に投票すべきか。それを見極めるには、各政党が「日本をどんな国にしたいのか」をよく検証することが必要だ。各党の政策責任者に、党としての基本理念と具体的な政策を聞こう。日本維新の会の浅田均政調会長にインタビューした。

第57回
過去の当一地方選挙で思い出すことがある。カリスマ町長が勇退を宣言しながら、町長選に名乗りを上げる人物が現れず、町民を巻き込んでの騒動となった福島県矢祭町の一件だ。強力なリーダーの「多選」に潜む弊害を考えたい。
