目前に迫った衆院選は、日本の将来を方向付けるターニングポイントになる。果たしてどの党に投票すべきか――。有権者がそれを見極めるには、各政党が「日本をどんな国にしたいと考えているか」を、よく検証することが必要だ。ダイヤモンド・オンラインでは、全ての政党の政策責任者にインタビューやアンケートを申し込み、党としての基本理念と、その実現のために掲げる具体的な政策に的を絞って、詳しく聞いていく。最初に登場してもらうのは、第三極の中心的存在となった日本維新の会の知恵袋、浅田均政調会長である。(聞き手/ジャーナリスト・相川俊英、インタビュー日/11月28日)
統治の仕組みをつくり直す
中央官僚集権体制を打破する
日本維新の会政調会長、大阪府議会議長。1950年生まれ。大阪府出身。京都大学哲学科卒、スタンフォード大学大学院修士課程修了。日本放送協会(NHK)、経済協力開発機構(OECD)勤務を経て、大阪府議会議員(現在4期目)。自民党府議団政調会長、大阪維新の会政調会長などを歴任。大阪維新の会の知恵袋として基本理念である「維新八策」を起草した。
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――日本維新の会が総選挙で最も訴えたいことは何ですか?
僕らが掲げる政策の肝は、統治機構の改革です。統治の仕組みをつくり直し、中央官僚集権体制を打破することです。
戦略と執行をきっちり分け、選挙で選ばれた政治家が戦略(政策)を立て、役人はその戦略に沿って執行するのが本来の姿です。ところが、実際は政治家がその役割を果たさず、役人が自分たちで戦略を立てて執行しています。
それで役所が肥大化したり、ムダを生み出したり、既得権益と結びついたりしているのです。そうした省益や縦割りの壁を打ち砕くため、内閣機能を強化します。
――民主党が失敗した政治主導への転換ですね。具体的にはどうするのですか。
内閣予算局を新設して、財務省主計局から予算の企画立案機能を移します。それから人事院や総務省と財務省の一部を統合し、内閣人事局を新設します。人事権を内閣に一元化するのです。
さらに国会のガバナンスルールを変えて、首長と参議院議員の兼職禁止規定をなくします。これが実現したら、2人(橋下徹大阪市長と松井一郎大阪府知事)を来年の参議院選挙に出馬させます。政府レベルでの統治機構改革のセンターピンはこの2点です。
――地方と国の関係は?
まずは国の役割を絞り込み、中央集権体制を変えます。地方が自立し、創意工夫できるようにいたします。
そのために、消費税を地方税化し、11%にします。地方間の財政を調整する地方共有税を創設し、消費税の6%分をここに充てます。そして、地方交付税制度と地方財政計画をなくし、地方が受けている国のくぴきを取り除きます。
――統治の仕組みを変えることによる国民のメリットが、見えにくいのではないですか。
震災復興がなかなか進んでおりません。現場の切実な声が東京(国)に届いていないからです。それどころか、復興予算がおかしな使われ方さえしています。被災3県の首長が権限と財源をきちんと持っていたならば、状況は違っていたはずです。