曲沼美恵
第8回
高度経済成長前、東京の道路はいたるところ未舗装だった。泥だらけの道を歩くと、たちまち靴が汚れる。そのため、「路上の靴磨き」は必要欠くべからざるサービスだったという。しかし今や、その路上靴磨きは絶滅必至の状態に陥っている。

第7回
ゴルフは通常、18ホールを4人1組で回る。この4人の荷物を運び、スムーズにプレーが進行するよう、お世話をしたり、アドバイスをしたりするのがキャディだ。そのキャディが今、危機に瀕しているという。

第6回
消えても話題にならない存在――。それが今回取り上げる映画技師だ。現在、スクリーン数の8割を占めるシネマコンプレックスでは、映写は自動制御。かつては映画技師が必要だった仕事も今ではアルバイトが操作するだけで済んでしまう。

第5回
総合職か一般職か。就職を控えた学生なら、悩ましいテーマのひとつである。しかし多くの企業が今、一般職の採用を絞り始めている。あのトヨタ自動車でさえ2011年度の一般職採用はゼロ。逆風が強まるなか、このまま一般職はなくなるのか。

第4回
家庭用電気冷蔵庫の普及、度重なるバブルとその崩壊によって市場が縮小してきたのが、今回取り上げる氷屋だ。氷屋の高齢化は著しく、「経営者が60歳以上」は7割。しかし、最近、そんな氷屋で働く若者がじわじわと増え始めている。

第3回
かつてはどの百貨店でもお目にかかれたエレベーターガールが天然記念物化している。目に見えて減ったのは、バブル経済崩壊以後。世間から過剰サービスと批判を受け、経費削減の対象となった。しかし、本当にムダなお仕事なのだろうか。

第2回
「洋裁の内職ができる方を探しています」という貼り紙を、街で見つけた。グーグルで「内職」というキーワードを検索すると、約1880万件のヒット。「貧しい時代」の象徴のように思われている内職シゴトは、今もあるのか?

第1回
新しいキモノファッション誌が出されていたり、着付けブームだったり、と現在ちょっとした「和」ブームである。しかし、キモノを作る和裁のおシゴトは、「絶滅危惧種」の1つと言ってもよいほど厳しい状況だ。
