
山崎 元
第254回
夫と妻が2人とも仕事と収入を持つ「共働き」という生活形態は、合理的なばかりでなく、かなり「得」でもある。片働きなのか共働きなのかで大きな差が出るような税制には問題があるとも思うが、働き手が増えるのは社会的にいい面があるし、家計にとっても好ましい面が多い。

第258回
2014年卒業生の「就活」が始まる時期に合わせて、『週刊ダイヤモンド』が「今、入るべき会社 就活親子の大誤解」という特集を組んだ。今回はこの特集をベースにして、正しい就活の考え方を筆者の目線で論じてみたい。

第253回
「行動ファイナンス」という学問分野は、10年ほど前に、ダニエル・カーネマン氏がノーベル経済学賞を取ったこともあり、今では大変有名になった。

第257回
解散・総選挙が16日に決まり、選挙戦の幕が切って落とされた。目下自・公が優勢とも思えるが、体制が整っていないと言われる「第三極」にも、逆転のチャンスはありそうだ。総選挙で「第三極」の公約と新政権の枠組みはどうあるべきか。

第252回
時は金なり。時が金よりも大切な場合があるから、正確ではない。しかし、ビジネスパーソンに役立つ格言を一つだけ選べというなら、迷うことなくこれだ。直接・間接さまざまな形で、お金で時間を買うことができる場合がある。

第256回
ここ数日、自公両党が審議に応じて特例公債法案の成立にメドが立ったこともあって、急に「年内解散」の観測が増えて来た。果たして解散はあるのか。野田氏個人の立場に立つと、TPP参加を強調した早期解散は、案外悪くない気がする。

第251回
厚生労働省が厚生年金基金制度の廃止方針を打ち出して、話題になっている。内容の詰めは今後の問題だが、廃止まで10年程度の予備期間を設けることと、「代行割れ」の損失部分について、全部ないし一部を厚生年金本体で負担することを検討しているようだ。

第255回
社会保障審議会の専門委員会で、「厚生年金基金制度の見直し」に関する試案が発表された。筆者は廃止に向けての取り組みと、それを進める厚労省の渡辺由美子氏を評価する。ただし、いくつか批判もしたい。問題点をシンプルに考えてみよう。

第250回
ほとんどの読者が「PER」をご存じだろう。「株価収益率」という日本語を当てることが多いが、株価を1株当たりの利益で割った倍率がPERだ。純利益が100億円ある会社が1億株の株式を発行していると、1株当たりの利益は100円だ。この会社の株価が1000円なら、PERは10倍となる。

第254回
石原慎太郎氏が都知事を辞任した。新党を結成して、国政にチャレンジするという。新党立ち上げのタイミングとして、今はどうなのか。また、ゆくゆく国家のリーダーになり得る素質を持っている人物なのか。筆者なりに考察してみた。

第249回
経済活動にあって、何がボトルネック(主要な制約要因)となるかは、時代とともに変化する。例えば、かつてリカードは、土地が生産の究極的な制約要因で、地主が地代を得て潤う経済を描いた。これは、特にバブルの時期の日本人にはリアリティのある話だった。

第253回
「近いうち」とされた衆議院の解散が、一向に実現しない。とはいえ、足もとの情勢を見ていると、「総選挙の時期が早いほうがかえっていいのではないか」という判断に民主党が傾く理由が、いくつかある。今回は、この可能性について考えてみたい。

第248回
AIJ投資顧問による三流運用詐欺のような巨額年金資産消失事件に続いて、厚生年金基金の運用でまた不祥事が報じられた。

第252回
クリス・アンダーソンの新著の翻訳『MAKERS』を読んだ。テーマは製造業だが、日本の製造業でも製造過程の標準化とデジタル化が進めば、歓迎すべき変化だと思う。それは、企業の「もったいない個人」を解放することにもつながる。

第247回
世界最高峰の競馬レースである凱旋門賞が今年は10月7日に行われた。今年の凱旋門賞が特に注目されたのは、日本の最強馬オルフェーヴルが出走を予定し、有力視されていたからだ。読者はもう結果をご存じだろう。

第246回
日本の国債が、近い将来、ギリシャ、イタリア、スペインの国債のように「暴落」するという議論をよく聞く。日本の政府債務残高は、GDPに対してギリシャよりも大きい。しかし、それだけで、危ないと考えるのは短慮だ。

第251回
白川方明・日本銀行総裁の任期があと半年を切った。そろそろ次期総裁の人事が気になるところだ。国民にとっても、大いに注視する価値はある。日銀生え抜きか、財務省OBか。幾人か具体的な候補者名を挙げ、詳しく検証してみたい。

第250回
厚生労働省が、厚生年金基金制度を廃止する方針を発表した。れは「方針」であって、まだ「決定」ではないが、筆者は大いに評価したい。この機に、厚生年金基金制度の何がダメだったか、なぜAIJ事件のような問題が起こったのかを検証したい。

第245回
投資信託が停滞している。投資信託協会のホームページで公募の株式投信の8月末時点での純資産額を見ると、48兆円強しかない。公社債投信の残高も10兆5000億円ほどなので、合わせても60兆円に満たない。個人金融資産が1500兆円あるといわれる中で、この額はいかにも小さい。

第249回
今の民主党を企業に例えると、倒産前夜のような雰囲気が漂っている。社員は組織の存続に諦めを抱く一方、人事に対する関心を捨て切れない。そんな視点で代表選後の人事を見ると、野田首相が完全に「覚悟」を決めていることがわかる。
