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家庭で作ろうと思うと、ついつい億劫になってしまいがちの「揚げ物」。特に、調理後の油の処理について悩んだ経験を持つ人も多いのではないだろうか。だが実は、少量の油でおいしく揚げ物を作る方法があった……!料理家・樋口直哉が、本当はカンタンな揚げ物の方法を解説する。※本稿は、樋口直哉『料理1日目 たったの10皿で「料理の基本」はマスターできる』(光文社)の一部を抜粋・編集したものです。
100℃の水と油
先に火が通るのはどっち?
揚げることでしか出せない味がから揚げや天ぷらといった衣を使った料理です。揚げ物の定番の鶏のから揚げを通じて、肉や魚を揚げるときのコツを学びましょう。
その前に1つ問題です。
「同じ大きさの鶏もも肉を100℃の水と100℃の油に入れると、どちらが先に火が通るでしょうか?」
少し考えてみてください。
……。
……正解は水です。
油は水よりも熱くなることから、直感的には油と思った人もいると思いますが、この違いは〈熱容量〉の差によるものです。
熱容量についてかんたんに説明しておきましょう。
物質に熱を加えると温度が上昇します。熱量(カロリー)を上昇した温度で割ったものが〈熱容量〉です。水の熱容量は油の2倍なので、そのエネルギーが食材に伝わることで早く火が通るのです。
数字だとわかりにくいという人はかんたんな実験をするといいでしょう。
水と油を57℃に熱し、両手の人差し指をそれぞれに入れてみましょう。どちらが熱く感じられるでしょうか?(低温やけどをするリスクがあるので無理はしないように)







