2021.10.11 医療機器と財政との調和をどう図るか 厳しい財政事情の中、社会保障給付費(約120兆円)のうち約40兆円を占める医療費への改革圧力が高まり、経済財政諮問会議や財務省は、CTやMRI等の高額医療機器の配置適正化を求めている。だが、国民医療費に占める医療機器のコストに関する正確なデ…
2021.9.13 コロナで財政赤字恒常化、金利ゼロでも財政再建が必要 コロナ禍で財政赤字が拡大し、今後の財政やマクロ経済に及ぼす影響が気になるが、日銀の大規模な金融政策は継続、長期金利がゼロ近傍で推移しているため、財政規律に対する認識は弱まっている。
2021.8.16 有事に向けた「平時の備え」としての財政再建 新型コロナウイルスの感染拡大は世界的流行となったが、日本を含む世界に対し、有事に向けた「平時の備え」の重要性を再認識させた。8月15日は終戦記念日だが、有事に向けた「平時の備え」という意味では、防衛関係の備えも重要ではないか。
2021.7.12 2040年に向けた社会保障の財源をどうするか 先般、国勢調査(2020年)の人口速報値が公表された。日本の総人口は1億2622万人で、15年時点の調査と比較し約86万人の減少となったが、本格的な人口減少はこれからだ。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」(17年)によると、20…
2021.6.14 日本経済へのダメージ、コロナショックはリーマンを超えたのか? 新型コロナの第4波により、緊急事態宣言が6月20日まで延長となった。日本経済に及ぼす影響が当然気になるが、その一つの判断材料となるのが、先般内閣府が公表した「四半期別GDP速報」(2021年1~3月期・1次速報)だろう。
2021.4.12 東京の人口をゼロにしたら日本の出生率はどの程度上昇するのか 新型コロナウイルスの感染拡大は都市構造や経済社会を本当に変えていくのか。この問いに現時点で答えることは難しいが、人口減少や少子高齢化が進む中、都市構造の変化が経済社会に及ぼす影響として最も関心が高いものの一つが合計特殊出生率だろう…
2021.3.15 コロナ危機脱却の鍵を握るワクチン接種、経済正常化の原動力になるか 先般、内閣府は四半期別のGDP速報(2020年10~12月期・2次速報)を公表した。この速報から、20年の年率換算の名目GDPは539.1兆円。19年の名目GDPが561.3兆円であったから、20年の名目GDPは前年比で約22兆円の落ち込みと予想される。これは想定以上…
2021.2.15 コロナ禍での中長期試算から何が読み取れるか、予測と実績の乖離を示せ 予測や試算は、一定の前提に基づいて推計を行うものであり、推計と実績が乖離する可能性があるのは当然である。だが、英国やオーストラリア等では、GDP成長率の予測が実績と乖離した場合にはその要因分析を行い、モデルや推計方法に関する有識者の…
2020.12.14 東京一極集中を是正しないと都心部の出生率は本当に引き上げられないのか 少子化に直面する日本をはじめとする国々では、人口密度の高い地域ほど低い出生率の傾向があるが、それは見せかけの相関かもしれない。
2020.11.16 20年も実現できなかった「デジタル政府」構築の真のコアは何か 菅新政権の重点政策の一つは「デジタル庁」創設だが、2000年に打ち出した「e-Japan構想」から20年を経ても実現しない理由は何か。プライバシー保護の問題が存在するが、その他の要因もある。デジタル政府構築の真のコアを政治が明確化することが最…
2020.10.19 コロナ危機で発生した膨大な債務をどの程度の期間で処理するか 菅義偉・新政権がスタートした。新型コロナウイルスの感染拡大は現在も継続しており、政府・与党は第3次補正予算を編成し、2021年1月の通常国会に提出する予定だ。
2020.9.23 コロナ対策で膨張する日銀バランスシート、新政権の大きな課題に アベノミクスの功罪とは何か。評価や総括はこれから行われることになろうが、異次元緩和(量的・質的金融緩和)の象徴であった日銀のバランスシートの現状については、あまり広く認識されていない。
2020.7.13 コロナ禍でも財政健全化の道筋を残すのが政治の責務 新型コロナウイルスの感染拡大は、世界の社会活動や経済活動に大きな影響を及ぼしているが、この問題はいずれ終息するはずだ。そのとき、日本はコロナ以前に抱えていた課題に再び直面する。その課題とは、財政・社会保障の改革である。
2020.5.18 命も経済も守るための「新型ケインズ政策」、感染症対策を公共事業にせよ 新型コロナウイルスは、二つのルートで人命を脅威に晒す。一つは重症化による死、もう一つは外出制限や営業自粛の長期化による経済的死だ。緊急事態宣言が解除されても、感染が再び拡大し、医療崩壊を防ぐために自粛が再開される可能性もある。
2020.4.13 新型コロナウイルス対策の自粛要請による「売上蒸発」はどの程度か 新型コロナウイルスの感染拡大が日本経済に及ぼす影響を把握するためには、大規模イベントや不要不急の外出等に関する自粛要請コストについても整理する必要がある。
2020.3.16 2019年の増税ショックは、14年増税時よりも小さい可能性 先般、内閣府は「四半期別GDP速報」(2019年10~12月期2次速報値)を公表した。このデータから結論を述べると、19年10月の消費増税が増税期の実質GDP成長率に及ぼした影響は、14年4月の消費増税が及ぼした影響よりも小さかった可能性がある。