カーゴニュース
「物流危機」から「物流崩壊」への移行を食い止める手立てはあるのか――。トラックドライバーをはじめ物流の担い手の減少は深刻化し、このまま放置すれば供給制約と物流コストの上昇によって、わが国の企業競争力は大きく低下するリスクをはらんでいる。経済産業省商務サービスグループの中野剛志消費・流通政策課長兼物流企画室長に聞いた。

コロナ禍でサプライチェーンの変革や再構築が進む中、企業ロジスティクスを巡る動きが激しさを増している。荷主系物流子会社を対象にしたM&Aが引き続き増加傾向にあり、子会社を3PL大手などに譲渡して物流業務を外部委託する動きが加速。また、メーカーなどのグループ内で複数あった物流子会社を統合・再編して事業体制を強化するとともに、間接部門の効率化を図る取り組みも増えている。

国土交通省はこのほど、2020年度の宅配便取扱個数を公表した。それによると、総取扱個数は48億3647万個となり、前年度から5億1298万個、11.9%増という大幅な伸びとなった。20年度はコロナ禍における巣ごもり消費の拡大でeコマースが急増。これまでECに馴染みがなかった高齢者層などにも裾野が広がった。今期も、コロナ禍の長期化や生活スタイルの変化からECの継続成長が見込まれており、いよいよ“宅配便50億個時代”が視野に入ってきた。

佐川急便と日本郵便は9月10日、物流サービスの共創を目的とした協業体制を構築することで基本合意した。小型宅配便荷物輸送、国際荷物輸送、クール宅配便の3分野で得意領域や弱点を補完し合う新たな協業体制を構築し、10月から順次実施していく。

伊藤ハム米久ホールディングス(HD)では、幹線輸送の改革を進める。トラックドライバー不足や労働時間規制の強化に対応するため、全国の生産拠点から消費地への長距離輸送について海上・鉄道輸送へのモーダルシフトに加え、トレーラ化やスイッチ輸送の導入などで輸送効率を向上させる。

コロナ禍で宅配市場が拡大する中、ネット通販の荷物の受け取りや、感染拡大防止と効率化を狙った非対面発送など、これまでなかった新たな取り組みが始まっている。
