カーゴニュース調査レポート「2020年度大手荷主の物流コスト調査」Photo:PIXTA

カーゴニュース調査によると2020年度の物流コストの絶対額が増加した大手荷主企業(調査対象61社)は前年度より9社少ない28社となった。54社が増加していた18年度と比べ、37社が増加した19年度に続き全体では増加の勢いは落ち着いたかに見える。ただ、全体の物流費をみると絶対額は増加し、売上高対比でコスト上昇がみられた社も7割を占めており、生産がコロナ禍以前の水準に戻った場合、物流コストがはねあがる可能性もありそうだ。(カーゴニュース)

生産回復や運賃・労役費の
上昇傾向でコスト増

 カーゴニュースでは毎年、各業種を代表する大手荷主企業を対象とした物流コスト調査を実施。20年度の有価証券報告書の中から「運賃」「運送費」や「荷造費」「保管料」「物流費」といった物流関係コストを抽出し、絶対額や売上対比の推移を調べた。

 今回調査した61社のうち物流コストの絶対額が増加したのは28社(構成比約46%)、減少したのは33社(約54%)だった。全体の物流コスト総額は2兆2950億5000万円で、前年度より383億5500万円増加(1.7%増)した。直近4年間の全体の増減率推移をみると17年度は約9%増、18年度は約5%増と増加が続いたが、19年度は約8%減と落ち込んだ。一方、20年度は経済の持ち直しによる生産復調が始まり、物流費増加につながった。

2020年度大手荷主の物流コスト調査_図版1(ぼかし入り)